赤城山(黒檜山1828m)
akagiyama(kurobisan)
 
 高原と湖と牧場で人々に親しまれてきた赤城山
 火口湖の大沼(おの)をめぐってカルデラの外輪山である最高峰の黒檜山
 駒ヶ岳、長七郎山、荒山、薬師岳、地蔵岳をひとまとめにして赤城山と呼ばれている
月    日 2002/12/17(火)晴れのち雪
コージツ月例山行 ガイド:荻尾祐二、スタッフ:千崎、鈴木、参加者:34名
日帰り温泉 富士見温泉見晴らしの湯(3時間500円)
行    程 コージツ6:45−赤城IC8:45-赤城PK9:45〜10:15−黒檜山12:45〜13:20ー登山口14:40
 今年最後の山行に”カカア天下とカラッ風”で有名な赤城山へ行った。
 明け方まで雨が降っていたが、日が登る頃にはすっかり良い天気になってきた。

関越を降りると、榛名山の方角には大きな虹までかかり、久々に見る虹に大歓声が上がった。(あとで母に聞いたところ、夕方の虹は翌日は良い天気になるが、朝の虹は天気が崩れるそうだ)

 スケートリンクのような駐車場    
 なるほど、右方向の赤城山には『いやな雲がかかってますね』と隊長が言う。
 バスが山にさしかかると、心配していた通り、雪雲の中に入ってしまったようで、チラチラと雪が降ってきた。あたりも一変して雪景色になってきた。
 『赤城スケートリンクへ到着しました』と隊長が言うように駐車場はツルツルに凍っていて、バスを降りるとすぐにアイゼンが必要になった。雨具を着て、スパッツをつけ、手袋、マフラー、帽子と完全装備で歩き始めた。
 風もヒューヒューと音をたて、吹雪のようになってきた。  
 雪が積もり、凍っている車道を黒檜山登山口まで行く。
 昨日コージツのスッタフが実踏に来てくれた時は、雪はあったがアイゼンは必要なく、良い天気で暑いくらいだったそうだ。一晩で変わるものだ。
 歩き始めてまもなく、私とクラのアイゼンが緩んできた  黒檜山登山口
 今回初めて使う8本爪で、あわせ方がゆるかったようだ。手も凍りそうな中、マサさんがそのたびに何回も調節してくれた。そのためだいぶ遅れてしまったが、この10分が事故につながると、いやな顔もせずにぴったりするまで直してくれた。
   登山口で待っていてくれたメンバーに追いつき、いきなり急坂の雪深い林にかかった。多いところでは30センチくらい積もっている
 森はすべて真っ白で、木々には細かい小さな枝にまで雪が”小枝チョコレートホワイト”のようについて素晴らしくきれいだ。
 常緑樹や少し残った枯葉には、まるで天ぷらの衣がついたように固まっている。風は強く、木についた氷が飛んできて顔にあたり痛い。稜線に出ても展望は全くない。
 樹氷の森    
 予定では黒檜山から駒ヶ岳に登るはずだったが、この天気では34名の団体では時間的にも無理そうだし、駒ヶ岳からの下りには一部に鉄梯子もあるそうで、黒檜山だけ登ることになった。   途中で休憩を取り、行動食を取った。いつも持ち物に立ってでも食べられるものとあったが、その必要性が今回良くわかった。 
 それも無理な時は途中で引き返すと言われた。 温度は相当下がっているようで、デジカメが使えなくなった人もいた。
   小枝ホワイトチョコレート?  
 今はウエアや装備はとてもよいので、歩いていると体はちっとも寒くないが、止まるととたんに冷えてくる。
 Junjunが『八甲田山で亡くなった人たちは、今のようにゴアテックスやダウンパーカーがあれば死なずにすんだかも・・・』と言っていたが、本当にそうかもしれない。
   黒檜山登頂12時40分。予定よりだいぶ時間がかかってしまった。でも幸い、雪はほとんど止み、風も弱まった。展望のよい山頂らしいが視界ゼロ。
 『これならお湯が沸かせるかもしれない』とスッタフが熱いオニオングラタンスープを作ってくれた。
 皆冷たいおにぎりやサンドウィッチなので大好評だった。インスタントだが寒い冬にはこれはいけるかもしれない。
 黒檜山頂(1828m)

30分ほど休み下山。

 凍っている岩場や急斜面を下るときは、やはり軽アイゼンより8本爪のよさが実感できた。先週買い換えたが、こんなにすぐ役立つとは思わなかった。
 下りでは少し危ない場所ではつまってしまい、時間がかかった。
 猫岩まで下った頃、天気がどんどん回復し、周りの山々や眼下の大沼が美しい姿を現した。
 登山口にはバスが待っていてくれた。アイゼンをはずしたとたんに滑っている人もいた。ふもとに下りると、今登ってきた樹氷の赤城山が真っ白で感動的だった。
 こんな天気で私達だけだったらきっと断念していたと思うが、荻尾さんはじめ、頼もしいスタッフのおかげで、安心して歩くことが出来た。
 樹氷の山を歩けたのも初めての経験だったし、冬の初めにこんな経験をすると、今年の冬は寒さにめげず歩けそうだ。