大 山(弥山)山陰1709m
-daisen(misen)-
2009/05/15-16
  平成21年5月16日(土)
行 程(5時間30分)
やまびこ荘 6:50
大山登山口 7:00
阿弥陀堂 7:10〜15
三合目 7:45
五合目 8:15
六合目避難小屋 8:35〜45
七合目 8:55
八合目 9:15
 大山(弥山)山頂 9:40〜10:10
八合目  10:30
 六合目避難小屋 10:45〜50
行者谷コース分岐  11:05
 元谷堰堤 11:30
 大神神社奥宮 11:55 〜12:05
 やまびこ荘  12:25〜13:30
溝口IC  14:00
 岡山駅 16:30〜16:49発(のぞみ)
新横浜 19:54
夏山登山道を登る  
気になっていた天気は曇り。でも、窓を開けると大山には雲ひとつなく、くっきり見える。宿の主人も「3時頃まではもつでしょう」と言っていた。
登山口まで徒歩10分という近さがうれしい。
昔は、剣ヶ峰天狗ヶ峰弥山への縦走もできたようだが、崩壊がひどい今では弥山への夏山登山道と、行者コースのみ歩くことができる。
登山口から阿弥陀堂まで10分くらいの階段が続く。立ち寄り、登山の無事を祈る。
 登山口 阿弥陀堂
西日本一ブナの原生林
 二合目三合目と標識があり、標高もところどころに記されているので、ペース配分に都合がよい。
ほとんど毎週登っているという、地元の人と話した。魚臭い境港に住んでいるので、週末はきれいな山の空気を吸いにくるそうだ。この清々しさは何度でも深呼吸をしたくなる。
三合目からは急登になりつらい登りだが、西日本一といわれる見事なブナの原生林だ。
ダイセンミツバツツジ 三合目辺り まだやわらかい若葉で癒される。
大山の固有種
緑の中にはっと目を引くのは、ダイセンミツバツツジの鮮やかなピンク。大山の固有種だ。足元にはスミレも多く、絶滅に瀕しているダイセンキスミレ(写真失敗)もわずかだが見られた。
標高1250mの五合目付近で森林帯が終わると、展望が開けた。イワカガミも多い。
 6合目からは、北壁が圧倒する近さに迫る。対面の稜線にユートピア避難小屋が見える。
 タムシバと日本海  まだだいぶ雪渓が残っている。  六合目より、バックは北壁
弓ヶ浜中海宍道湖光る水田牧場、そのところどころにポコポッコとまあーるい山が珍しい風景だ。しばらく休憩して、展望を楽しむ。     
最近少しスリムになったkumaさんは、歩きも軽快になった。今日は私も足が軽い。 
 このコース一番のガレ場の急登を登り切ると八合目だ。途中にはショウジョウバカマがたくさん見られた。
 八合目から景色は一変して、なだらかな木道が、山頂まで 伸びる。
 イワカガミ  最後のガレ場
 強風  
 ハイマツのような木は、ダイセンキャラボクの純林で広大な緑のじゅうたんが素晴らしい。
体がふらつくような強風で暑かった体が一気に冷やされる。急いでパーカーを着る。帽子もかぶっていられなかった。 
周りの景色を見る余裕もなく、とりあえず山頂へと急ぐ。 
 ショウジョウバカマ  山頂より避難小屋と弓ヶ浜を望む
 
 
 崩壊進む山頂
大山(弥山)山頂から見る北壁南壁の稜線は、左右を削り取られた凄まじいまでの崩壊で、まさに剃刀の刃のようだ。 
縦走禁止の立札があるが、これでは弥山までしか行けないはずだ。 
 南は山々が重なり、北は日本海側の眺めが素晴らしい。 晴れていれば隠岐ノ島まで見えるそうだ。
  ダイセンキャラボク・八合目より続く木道 ・東側を望む ぐるり360度、見渡せる。
強い風と寒さ(7℃)で、長居はできず、避難小屋に駆け込む。着いた人がどんどん小屋に入ってきた。宿で作ってもらったおにぎりを食べ、大休止。この小屋にはどういう仕組か、水洗トイレがついていた。     
木道は、小屋直下の分岐から左右に分かれる。花の時期は石室廻りで行くとよいと書かれていた。 
強風なので、もと来た木道を引き返した。   大山(弥山)1709m 雪渓
 
 行者コースと北壁
 宿の主人が、下山は行者コースをとれば、北壁を見ながら下りられる。というので、5合目の少し上から元谷方面への分岐を下ることにした。
 階段状になった道をぐんぐんと標高を下げていく。こちらもまた、ブナの原生林の中を歩く気持のよいコースだった。
 30分ほど下ると、元谷避難小屋が見えてきた。
 7合目を下る・ブナ原生林・北壁(大堰堤より)  
元谷へ下ると、壮絶な北壁が屏風のように広がる。ギザギザの稜線、谷にはまだ雪渓が残る。今でも年に数千トンもの土砂が、崩れ落ちているそうだ。そのうち大山の山容が、変わってしまうのではないか。
 沢を渡り、大堰堤から最後の北壁を振り返る。再び森の中へ入り、30分ほどで 大神山神社奥宮へ着く。 
ちょうど結婚式が終わったばかりで、白無垢の花嫁と写真を撮っていた。地元の人なのか、今風の結婚式とは違い、静かで落ち着いた感じだった。
 無事に歩けたお礼参りをして、健脚守りを買った。
 古い昔の石畳は、趣があるが、参列者は大変そうで、高齢のおばあさんを息子らしき人が、 背負って下って行った。
北壁と元谷避難小屋
   さらに下った所に大山寺がある。
 予定ではもっと大変だと思い、ゆっくり目の計画を立てていたが、1時間ほど早く下山できたので、宿で汗を流させてもらった。(登山後の入浴無料)
 帰る頃にはが降り出した。高速道路から振り返ると、大山に雲がかかり始めた。高速はETC休日割引で千円なのにとても交通量がとても少ない。
 岡山で駅弁やお土産を買い込み、帰路についた。
 志賀直哉の「暗夜行路」に大山の様子が書かれているらしい。もう一度読んでみようかと思う。
 大神山神社奥宮  大山は、心に残る名山だった。