②西穂独標2701m焼岳2455m(北アルプス)
2009/09/26-27 
 9月27日(日) 
 西穂山荘~焼岳
 ウッディで、しっかりした作りの山小屋は暖かく、夜中も全く寒くなかった。
 不安な雨の音で目が覚めた。4時起床。
 心配していたKさんの調子は、眠れたので快復したという。一緒に歩けそうだと言うので一安心。
 朝食はお弁当にしてもらい、まだ薄暗いうちに出発。幸い雨はやんだが、だいぶガスっている。雨が降ったからか、寒くはない。
 しばらくは下りが続く。まだ目覚めない体にはちょうどよい。
 この辺り、夏はお花畑になりそうで、立ち枯れの花が多かった。  薄暗い中出発
 
 上高地分岐  ガスの中  割谷山付近の難所
すぐに、上高地分岐を分け、シラビソの森の中を下る。キヌガサの池で、キヌガサソウに黒い実がついていた。食べられるというので、口に入れてみたが、甘くなくおいしくない。 
 ガスっているので、槍見台辺りも全く展望はない。
 1本道で迷うことはないが、時々ある標識はほとんど消えかけ、今がどのあたりか全くわからない。
 アップダウンが続き、きつい道になる。  消えかけた標識  シラタマノキとゴゼンタチバナ実
リンドウがわすかに咲いていたくらいで、この時期花はほとんど見られなかった。
   
明るくなってきた森を下る   焼岳小屋と焼岳  焼岳小屋
時間的にそろそろ焼岳小屋に着く頃と思っていたが、何度かだまされ、やっと焼岳小屋に着いた。 
 新中尾峠に建つ焼岳小屋からは、大きくそびえる焼岳の姿が望める。高くそびえる山頂を見上げると、登山意欲が削がれる。地図上は、上り1時間10分となっているが、そのくらいで登れるのだろうか。
 ここで、やっぱり体調の悪いKさんともう一人の女性が、Nさんに付き添われ上高地に下山することになった。
   小屋の前から一登りすると、小ピークに出る。正面に焼岳の全容が現れ、迫力満点。
 中尾峠から、山頂への登りは砂礫で滑りやすく、傾斜もきつく、このコース最も厳しい登りになる。
 いたるところから、蒸気が噴き出し、硫黄臭が強まる。
 山頂へ向け出発(小ピークを越えた辺り) シラタマノキ の群生が登山道の両側を埋め尽くす。花をつぶすと、メンソレータムの臭いがした。
   西穂山荘や穂高の山並をバックに登る  
   
 山頂直下の岩場  北峰間近の鞍部  焼岳北峰2444m
ペンキを塗ったように黄色い大きな噴気孔の脇を抜けて、一登りすると焼岳北峰に到着。(現在南峰は登山禁止になっている。 )山頂は360度の大展望。眼下には火口湖も見える。
 山頂は意外と広い。雲は多いものの、今朝出発した西穂山荘の赤い屋根、穂高連峰笠ヶ岳も見える。
 たっぷり展望を楽しんだのち、中の湯温泉へ向け下山。ここから約2時間半の下りになる。
   
 火口湖 噴煙を上げる北峰  笹原 
   それにしても、今朝の天気がうそのように、素晴らしい晴天。こんな青い空を見たのは久々な気がする。
 青い空白く噴き出す噴煙笹原の緑の海、ダケカンバやナナカマドの紅葉のコントラストの美しさに、何度も振り返ってシャッターを切った。
 傾斜が一段落し自然林に入ったところで、日差しを避けお弁当休憩。私は、少し前から胃の調子がよくない。食欲はないが、みかんを一つ食べた。それがいけなかったのか、余計気持ちが悪くなってきた。
 そこからの1時間余りがとても長く感じ、気力だけで歩いていた。中の湯温泉が見えた時には、無事着いて正直ほっとした。
 紅葉の中を下る 温泉に着くと、先に着いたKさんたちが笑顔で迎えてくれた。高山病は下山すれば治ると言うが、元気になってよかった。
私も一汗流したら、気分もよくなった。
 天気にめぐまれ、大展望と、紅葉も見ごろ、今年も楽しい仲間と歩くことができ、またよい思い出が一つ増えました。幹事の皆さんの細かい心配りに感謝です。今回行けなかった方たち、来年はぜひ一緒に歩きましょうね。
 photo by chika.setsuo yukky