早池峰山(1917m)・栗駒山(1627m)
-hayachinesan/kurikomayama-
   早池峰山 7月28日(土)
行 程(6時間30分) 
前沢 5:00(車)
岳駐車場 6:45~7:00(シャトルバス)
河原の坊 7:20~30
頭垢離(こうべごうり) 9:20
御座走り 9:50
打石(ぶついし) 10:15
千丈ヶ岩 10:35
早池峰山 11:00~12:00
鉄梯子 12:20
五合目 12:45
小田越下山口 14:00~14:12(シャトルバス)
 早池峰シャトルバス:往復\1400 岳駐車場 14:35~15:00(車)
大迫ワイン工場(エーデルワイン)、東和温泉(入浴料\500) 前沢 18:00
案内をしてくれるUさんのランドクルーザーに、似つかわしくないおじさんおばさん達が乗りこみ、東北自動車道を北上する。もう一台は新潟のSご夫妻の車で、7名での山行になった。
近年夏季の土日祝日はマイカー規制があり、岳駐車場でシャトルバスに乗り換え河原坊へ行く。早い時間にも関わらずバスは混雑している。さすが人気の山だ。
河原坊に着くと、携帯トイレ販売所が出来ていた。天然記念物保護のため最近は持参を勧めている。私達も皆購入する。話し好きなおじさんが、「NHKBSの人達が、撮影に行ったよ。9月に放送するらしい。」と教えてくれた。ウスユキソウの写真を撮るため、霧吹き持参だそうだ。なるほど、露に濡れた写真はそれらしく霧吹きを使っていたのだった。
リベンジ早池峰山
十数年前に来た時は豪雨になり、それでも河原坊まで来たが、登山道は川になっていた。皆ようやくあきらめ、すごすごと戻ったのだった。
それからずっと気になりながらチャンスがない山だった。
河原坊登山口(携帯トイレ販売所) 山頂は雲の中
今日は麓は晴れていたが、近づくと山頂は雲に覆われている。
早池峰の固有種保護と外来種を持ち込まないように、登山口には泥落としがある。
すぐに沢を渡る。しばらくはコメガモリ沢沿いに登る。濡れていると蛇紋岩は滑りやすく、注意が必要だ。
靴の泥落とし 沢渡る
早くもシモツケソウ、センジュガンピ、クガイソウなどの花々が迎えてくれた。
何度か渡渉を繰り返す。
頭垢離(こうべごうり)という水場があり、冷たい水でのどを潤す。ここからは伏流水となる。
センジュガンピ 蛇紋岩の岩場を登る
高山植物の踏みつけ防止のため、両側にロープが張られた岩場を登る。
時々スーッと雲が切れ青空がのぞく。風が強く、空気はひんやりして下界の暑さが嘘のようだ。
固有種のナンブトウチソウが揺れている。
ナンブトウチソウ(固有種) ミネウスユキソウ
誰かがハヤチネウスユキソウだと言うが、よく似たミネウスユキソウやウスユキソウだった。エーデルワイスに似たホンモノはまだ見つからない。 
  急なガレ場が続く。滑っても怖いが、岩を落とし下の人に怪我させないよう注意深く登る。
やっと正真正銘のハヤチネウスユキソウが咲いていた。
産毛に覆われ、気品のある美しい花だった。やっと出会えた。
ハヤチネウスユキソウ(固有種) 御座走り
下って来た人が、小田越はものすごい強風で大変だったと言っていた。     
更に、ご座走りという一枚岩の急登、打石の岩礫地、仙丈ヶ岩という巨岩を巻くように登って行く。 
   打石(ぶついし)  千丈ヶ岩
「きつい登りですね~」と追い越して行く人がいる。私達はゆっくりペースなので、割合楽だった。
岩場を登りきると、お花畑が広がっていた。
山頂まではあと一息。
最後の岩場 お花畑
早池峰山登頂
11時、念願かない早池峰山登頂。
やはりまだ雲の中で、展望はない。ものすごい強風だ。
風をよけ、岩陰でお弁当にする。おにぎりも自家製漬物も美味しい。 
早池峰山登頂 避難小屋
避難小屋の隣には携帯トイレ用ブースが設置されていた。利尻山もそうだったが、この方法は山も汚さず、人の手も煩わさずよいと思う。
やっと雲が切れ青空が見えてきた。
アオモリトドマツ、コメツガの灌木帯に木道が続いている。
やっと青空が 下の木道
なだらかな木道辺りは、高山植物が咲き競う。ハヤチネウスユキソウも多い。岩の上には咲き終わったチングルマの穂が、飛ばされそうだ。
だんだん風が強くなり、帽子も脱げ、歩いていてもふらつくほどだ。
強風の中、長い梯子を無事通過。
強風の梯子下り 前方に薬師岳
5合目のお金蔵で、風をよけ休んでいる人たちがいた。吹きさらしなので、巨岩くらいしか風をよける場所がない。  
前方には薬師岳が、森の中に光る小屋は小田越登山口だそうだ。「すぐのようで、あそこまで結構あるんですよ。」とUさん。
  やっと風もおさまってきた。標高が下がってきたら暑くなってきた。  
ここは1合目が森林限界で、森を抜けると小田越登山口に着いた。 
 蛇紋岩の露岩帯を下る   小田越登山口 
早池峰山は東北の山にしては珍しいそうで、北アルプスのような山容の岩山だった。山頂からの展望は望めなかったが、ハヤチネウスユキソウにも出会えたし、期待を裏切らない登りがいのある山だった。
ほとんどが滑りやすい蛇紋岩なので、山歩きを始めた十数年前だったり、天気が悪かったらとても大変で危険な山だった。少し経験も積んだ今だから楽しんで登れたのではないかと思う。
帰り道、エーデルワインという工房に寄ったら、この地にあった早池峰山岳博物館の話しを聞いた。故坂倉登喜子さんのエーデルワイスコレクションがあり、私は以前雨で登れなかった早池峰登山の代わりに見た記憶がある。小さな博物館だったが、2010年老朽化のため取り壊してしまったようでとても残念だ。
花巻の東和温泉で汗を流し、今晩もお世話になる前沢へ着くと、広い庭にBBQの用意がしてあり、前沢ブランド牛の霜降りステーキの大ご馳走が準備されていた。食べて飲んで大変盛り上ったが、明日の栗駒登山大丈夫でしょうか。
早池峰山の花はこちら 
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