日向山(1659m)鞍掛山(2037m)
-hinatayama/kurakakeyama-
 2013/06/02(日)曇り時々晴れ  
ユキワリソウというのは、北国で雪解けと同時に見られる花だと思っていたが、日向山の錦滝でも見られるという。本当にユキワリソウなのかずっと気になっていた。
この時期、その先の鞍掛山まで行けば、クモイコザクラが咲いているらしい。それはぜひ見たい。まだ見たことのないタガソデソウも見られそうだ。
    八王子 6:00
須玉IC 7:25(マイカー)
矢立石 7:50~8:00
錦滝 8:45~9:00
鞍掛山分岐 10:00
日向八丁尾根 10:20
駒岩 11:55~12:05
鞍部  12:20~35 
 駒岩 12:55~13:30 
錦滝分岐  14:20~30 
 日向山 15:00~10 
矢立石 16:15~25
走行距離:270㎞  メンバー: 凸凹(s.t2.k2)5名    八王子 20:50 
 まずはユキワリソウを求めて    
矢立石は林道の終点で、駐車場になっている。この先の林道はゲートが閉まり、崖崩れのため入れない。 
この林道沿いには、早くもタガソデソウが清楚で上品な姿を見せてくれた。たくさん見られうれしい。 
   矢立石登山口 タガソデソウ 
    今年は10日も早く梅雨入りし、ギリギリまで予報では、雨マークが消えなかったが、前夜好転し行くことに決まった。 
高速から富士山や南アルプスが見られた。この林道からも見える。富士山の雪がだいぶ減った。 
 富士山 林道崖崩れ   
 錦滝のユキワリソウ    
 
崖に咲くユキワリソウ  錦滝   ユキワリソウ(近くの岩陰に咲いていた)
ダートな林道を45分位歩くと、錦滝が現れる。目的のユキワリソウは、咲いてた。咲いてた!滝の両側の壁面に張り付くように咲いている。双眼鏡を借りて、やっと見ることが出来た。近づけないのが残念。
 私のカメラではこれくらいしか撮ることが出来ない。種が飛んだのか、近くの岩陰に一輪だけ咲いていた。北国のユキワリソウと容は同じ可愛い花だが、ここはピンク一色だった。
 急登続き    
『下りに使わないでください』 と注意書きがあったが、ここからの登りが半端ではない急登。ほとんど四つん這い状態で登った。
十数年前に日向山だけ来たことがあるが、本当にこんな所下ったのか? 
   鎖場 階段 
  1時間ほど汗を流し、やっと日向山と鞍掛山の分岐だ。ここは鞍掛山方面にトラバースする。 
まだ瑞々しい新緑で、下りと水平道が多く、やっとほっとする。ここにもタガソデソウが咲いている。春ゼミも大合唱。
 巻道  日向八丁尾根急登
つかの間の緩やかな道も、日向八丁尾根と合流してからは、またもや急登続き。     
足元のミヤマカタバミツバメオモトなどの小さな花を見つけ、励まされながら頑張って登る。 
白砂の雁ヶ原が、少し下に望めた。 
   シャクナゲ多い ベニバナノヒメイワカガミ 
 大岩の上にベニバナノヒメイワカガミが群生していた。この先数か所見られたが、濃いピンクの可愛い花だった。イワカガミという名の通り岩の上に咲く。 
    シラビソの森には、サルオガセが羽衣のように下がり、岩や倒木は苔むしている。南アルプスの山だ。 
樹間からは時々鳳凰三山や、甲斐駒ケ岳が望める。それにしてもきつい登りだ。 
 苔むしたシラビソの森、標識  鳳凰三山  
歩き始めて3時間近く、やっと駒岩に到着。  
もう12時になるが、しっかり食べてしまっては動けなくなりそうなので、行動食だけ補給し出発。 
クマさんはバテ気味で、ここで待つという。他の4人はザックを置いてすごい急坂を下る。 
   駒岩分岐(2020m) 駒岩?(石碑あり) 
  クモイコザクラ
大岩を過ぎると、鞍部に着く。
ここから鞍掛山の登りになるが、目の前の岩壁に薄ピンク色の花、いっぱい! クモイコザクラだ!!
この花を見るために、きつい登りを頑張って来た。 
クモイコザクラ  こんな岩場に咲いている↓ 
まだ初々しく、可憐な花達が迎えてくれた。ウルウルしてしまうほど素晴らしいご褒美が待っていた。      
時期もぴったり。枯れている花は一輪もなく、まだ蕾もあった。
バテ気味の人もいるし、この花達に出会えたでけで、もう鞍掛山頂は踏まなくても十分。ここでゆっくり撮影会とお花見をすることになった。 
Jさんが「せっかくここまで来て、この素晴らしい花を見ないなんて、クマさんを呼んでくる」言うと同時に、もう急斜面を登って行く。  
Jさんのおかげで、クマさんも一緒に見ることが出来た。
皆、大満足で急坂を登り返す。この辺りキバナノコマノツメもたくさん見られた。 
登り切った所に甲斐駒の展望台のような平地がある。    
一足先に着いたJさんは、ここでお弁当にしようと、何と、皆のザックを運び終えていた。パワフルJさんに脱帽。 
踏まれそうな所に、またベニバナヒメイワカガミが咲いていた。 
   甲斐駒ケ岳 ベニバナヒメイワカガミ 
    ゆっくりお弁当を食べ、下山にかかる。 
こんな所よく登ったね。というような急坂が続く。 
錦滝分岐を過ぎると、ヤセ尾根や岩場、少しわかりにくい所もあったが、ほぼ間違いもなく全員無事雁ヶ腹に着いた。 
 白ザレの下り(麓が見える)  ヤセ尾根  
     
雁ヶ原   日向山(1659m) 八ヶ岳を望む 
  鳳凰三山のような白い日向山は不思議な山だ。今朝は甲斐駒がよく見えたそうだが、最後まで山頂の雲が取れなかった。
でも、展望より今日はお花。 「いやなことがあっても、クモイコザクラを思い出せばしばらくは癒される」とSさんが言っていた。 本当に素晴らしい花山行だった。
 日向山下山  ちょっといいお話
錦滝で会った若者二人が「鞍掛山まで行くつもりだったが、一人が膝を痛めてしまい日向山で帰ります。」と言っていたので、クマさんがいつもザックに入れているサポーターを貸してあげた。
同じ駐車場に車を停めているというので、帰りに車の上にでも置いておいてくれればいいからと言ったら、ちゃんとビニール袋に入れ手紙まで添えてあった。 最後まで気持ちの温まる出来事だった。 
帰りの中央高速は大月から25㎞の大渋滞。遅くなったが、それも帳消しのよい一日だった。 
 日向山・鞍掛山の花