憧れの奥穂高へ2
 8月29日(水)晴れのち時々曇り  山頂は大パノラマ  
   フリースを着ていても、じっとしていると歯の根が合わなくなる。
 雲海の中に東の山々がシルエットで浮かぶ。
常念の右が、オレンジ色に染まってきた。オレンジがだんだん濃くなると、いっきに放射状に光が広がる。ドキドキするような瞬間だ。 
 この間常念から見た、槍や穂高がピンク色に染まる、モルゲンロートが見られるかも知れないと、笠ヶ岳ジャンダルムを見に行く。
 奥穂高山頂(おそろいのTシャツで)  頭の先が少しピンクっぽくなったが、今日はそれでおしまい。感動のシーンをもう一度というわけにはいかなかった。
 事前に三島さんに”ファイト〜イッパ〜ツ”ものはないですか?と聞いたら、ファイトのファくらいですよ。と言われたが、そんなことはない。十分怖かった。  
 ストレッチはしたが、まだ体は冷えているのに、すぐに垂直の鉄梯子と鎖が続く。
 こういうときは少しガスって下が見えなければいればいいのに、今日はすっきりどこまでもクリアに見える。
 ここは3000mの世界と思うから、余計心臓がバックンバックン音を立てる。  ファイト〜イッパ〜ツ!
 私たちの緊張をほぐすかのように、ライチョウの親子がいた。
 8時ちょうど、3190m日本で3番目に高い奥穂高岳登頂
 ヤッター!バンザーイ!そしてこの大パノラマ。今回も山スパートのパノラマが大活躍。
 北穂の後ろには槍ヶ岳がすぐ近くに、左から黒部五郎、薬師、鷲羽、水晶、立山、剣から白馬まで連なり、右に目を向ければ富士山南アルプス、中央アルプス。
 そして、眼下には焼岳、霞沢岳、上高地。その向こうには、乗鞍、御嶽。そして、ジャンダルムと西穂の向こうには白山まで見える。
 ちょうどその時、何があったのかジャンダルムの先にヘリコプターがきた。
 改めて私たちも気を引き締める。風もなく穏やかで、人も少ない。山頂は思ったより広く、ゆっくりと展望を楽しむことが出来た。
 さて、下山。山頂でのんびりでき、ガチガチの緊張も少しほぐれたのか、下りは思ったより怖くなかった。全員無事石畳のテラスに足を下ろすことが出来た。
昨日登ったときはザイテングラードの下りは、さぞかし怖いと思ったが、奥穂でひどく怖い思いをしてきたので、そんなに大変な感じはしなかった。三島さんいわく、これも経験の積み重ねだそうだ。     無事に下山し、涸沢小屋ラーメンソフトクリームランチタイム。穂高連峰を眺めながら、最高のロケーションでの食事は美味しさも倍増。ここのソフトクリームはおすすめですよ。 
   涸沢ラーメンおいし〜い  
   雪渓山歩をしたり、テラスでスケッチの時間もあり、のんびり過ごすことができた。
 テラスにいた仲間が、あれはカモシカではないかと指差す方を見ると、小さくてよくはわからなかったが、5〜6頭ゆっくりと雪渓を横切っている。
 最後の夜は氷河ワインで乾杯し、ゆっくり食事をした。
 涸沢ヒュッテ&北穂  これもすいているから出来ることで、この時期ねらい目かもしれない。
 外に出ると、北穂と奥穂の小屋の灯りが山頂付近でボーっと灯り、涸沢小屋の灯りだけが明るい。テントの灯りも夏の賑わいを過ぎ、ポツンポツンと点いている。
 8月30日(木)晴れ時々曇り    
 いつかまた登りたい!  
 穂高が終わらないと夏も終わらないと思っていたが、今日で最後になってしまった。
 少し雲は多いものの、今日も穂高連峰は素晴らしい姿で見送ってくれた。穂高にはぜひまた訪れたい。
 また来たときにもぜひそのままの姿で、迎えてほしい。後ろを振り返りつつ、本谷橋まで来るともう穂高は見えなくなってしまった。
 横尾からはデポした荷物を抱え、快調なペースでとばす。  上高地に向かいひたすら歩く
 3人で穂高のロゴ入りTシャツを着ているので、穂高に行ってきたのは一目瞭然。小声で言う人もいる。行きと違い、もう照れたりせずに、ちょっぴり自慢げに歩いてしまった。
 上高地温泉ホテルでゆっくり温泉に浸かり、山の疲れを洗い流し、松本へ向かう。
 全員、、ガイディングとサプリメントやCWXの効果か、元気に歩き通せた。
 今回怪我で行かれなかったクラとは、いつかきっと一緒に行きたい。
 私も自分のスキル以上の山に登頂でき、感激と充実感でいっぱいです。