甲相国境尾根(城ヶ尾峠~高指山)(855m)
-kosokokkyoone(zyogaotoge-takazasuyama)-
        2012年10月6日(土)
行 程(8時間) 
橋本 6:20発(BS三ヶ木行き)
三ヶ木 6:52-6:55発(BS月夜野行き)
月夜野 7:40-7:50発(BS長又行き)
下善の木 8:25
水晶橋 9:05(道志の森キャンプ場)
城ヶ尾峠 9:55-10:00
城ヶ尾山 10:05
中ノ丸 10:40
菰釣避難小屋 11:20-30
菰釣山 11:55-12:25
油沢ノ頭 13:05-10
石程土山  14:15-20 
 大棚ノ頭分岐 14:50 
 富士岬平 15:35 
 高指山 15:50-16:00 
平野バス停 16:45-17:00発(富士山駅行き)
交通費:JR(1730)BS(420+540+800+770)   富士山駅 17:50-16:32(ホリデー快速) 
 メンバー:凸凹女子会・・・3名    八王子 19:58 
甲相国境尾根というのは、大室山から三国山までの、相模甲斐の国境をいうそうだ。
3年前に菰釣山へ行った時知り、いつか山中湖まで歩き通してみたいとずっと思っていた。だが、道志方面は交通の便が悪く、なかなか機会がなかった。 
調べてみると、バスは平日、土曜日のみ午前中1本だけだが、橋本駅から3回乗り継げば行かれることがわかった。バスのトラブルや交通事情によっては乗り継げないかもしれない、スリル満点の山旅になりそうだ。
相当時間がかかるので、日が短くなったこの時期ギリギリかもしれないが、Jさんが入念な計画を立ててくれた。皆暗いうちに家を出て、橋本駅に集合した。 
路線バスの旅
三ヶ木(みかげ)行きのバスは多いが、その先がないため朝6時20分発に乗る。
三ヶ木では、乗り換え時間3分で月夜野行きが出発する。丹沢方面に行くと思われる登山客も多い。
下善の木(富士山チラリ) 落合橋(道志キャンプ場)
3回目は月夜野で富士急山梨バスに乗り換える。バスの行き先が太マジックで『長又』と書かれていたのには笑ってしまった。乗客はたった4人。車内放送もなく乗客に下車駅を聞き、ひたすら走る。
途中のバス停で一人降り、下善の木で私達が降りるとバスは空っぽ になった。ここまで2時間余りのバスの旅だったが、トラブルもなく無事着いた。
午後の天気予報があまりよくない。雲が多いが富士山の頭が見えた。(これが今日の見納めでは?) 
賑わう道志キャンプ場を抜けていく。
落合橋を渡り、水晶橋を渡る。浅い沢もいくつか越える。
3年前に登山口を見過し、浦安峠まで行ってしまったので、今日は失敗はできない。
城ヶ尾峠登山口 崩れかけた登山道
登山口の標識は古くなり、少し林道をから外れた所に立っていたが、道はちゃんとついていた。(なぜこんな所で見過ごしてしまったのか?)ジグザグに上り、尾根をたどると予定より少し早く城ヶ尾峠に到着。
時間との戦い
今回は、平野でのバスの時間と、日没のことを考えると、遅くても5時までには着かなくてはいけない。
「そんな余裕のない山歩き、何が楽しいのか?」とJさんはご主人に言われたそうだ。
私はワクワクするが。 城ヶ尾峠 実?(城ヶ尾山)
行程は長いが、ゆっくり休んでいる暇はない。城ヶ尾峠で、水分補給とミニアンパンを食べ小休止。城ヶ尾山へは、5分程登る。特徴のない山頂なので、ここは休まず進む。
以前来た時は晩秋だったので、見晴らしがよかった。木の間越しに富士山や丹沢、道志の山々が見えたが、今はまだ葉が茂っているのであまり展望はない。 
ブナの大木が多くなる。
中ノ丸へ着く。予定より少し早い。
城ヶ尾峠から中ノ丸まで昭文社の地図は1時間になっているが、私たちでさえ40分で歩けた。 
菰釣山まで2.2km。 
ブナの道 中ノ丸
    サルノコシカケのようなキノコが木にびっしりついていた。 
笹が繁茂する道を行く。登山道の周りは刈り払われているので、歩きやすい。
菰釣山避難小屋到着。ウイダーインゼリー補給。 
 キノコの木 菰釣山避難小屋  
菰釣山へ予定より15分早く到着。     
山頂は賑わっていて、甲府から来たという山のグループが十数名が休んでいた。お漬物を頂いたり、おしゃべりをする。  
私達もお弁当を広げる。 
20分の予定が30分休憩できた。   菰釣山へ最後の登り  菰釣山
    富士山の展望のよい山なのに、厚い雲に隠れている。雨に降られなければよいが。山中湖が見えた。 
日当たりがよい山頂は、トリカブトやアザミが見頃。
ストレッチをし出発。
山中湖   御正体山とキノコの木  高指山まで7・4km 
  右手には御正体山が見える。   
ブナノ丸を過ぎるとまた前方にピークが見えてきた。油沢ノ頭のようだ。高指山まで5.8km。 
十分水分を補給する 
 次のピーク(油沢ノ頭か?)    樅ノ木沢ノ頭
今日は行程が長いので、水も2L持ってきた。いつもよりザックが重い。もう1L以上飲んでいる。
ほとんどのピークや標識のある所にはベンチがあるが、壊れかけていたり苔むしている。バスの便が悪いので、最近はあまり歩かれていないのかもしれない。
先頭を行くJさんが「少し平坦なところは飛ばす?」と聞くが、私たち二人は「もういっぱいいっぱい。間に合わなかったらタクシーにしよう」と弱気。平らな所がもっと続けばいいのに…     
今まで予定より早めだったが、だんだん余裕がなくなってきた。 
  急登登る  ブナ大木、少し平坦な道
反対方向から登山者がやって来た。尋ねると今日は避難小屋泊まりだそうだ。 
このコースを歩く人は、菰釣避難小屋に泊まったり、朝早く出発し丸一日、十数時間歩き通したり、健脚な人が多い。私達はそれは無理なので、何回かに分けて歩くしかない。
     
 梯子登る 次のピークは?(石程山)  トリカブト多い 
    菰釣山から先は、トリカブトの花が多い。花の少ない時期なので、癒される。リンドウも見かけた。 
石程山に着く。高指山まで3.6km。 
急階段を下ると、山水ノ木とあり、西丸、東丸への分岐になっていた。 
 続くブナ道2/3過ぎたか?  急階段下る  
車のエンジン音が聞こえてきた。山伏峠が近いようだ。     
送電鉄塔の建つ、丹沢方面の展望がよい台地に出た。明るいススキの原だ。 
山伏峠への分岐、大棚ノ頭へ着いた。案内板や手作り標識などある。
高指山まで2.3km 送電鉄塔   丹沢の展望地
     あと2時間
初めての鎖場、急坂が続く。だんだん疲れもたまって来たので、励まし合い注意深く下る。 
「ブナ三昧の尾根」「東海自然歩道」など、手作りの標識にほっとする。 
 鎖場 ブナ三昧の尾根(手作り標識)   
ずっとブナの多い自然林だったが、この辺り背の低い木に変わった。アブラチャンの林だ。春には黄色い花園になりそうだ。     
ガマズミの真っ赤な実が、彩りを添える道。緑の葉も少し色づき始めたようだ。 
  アブラチャンの純木林  ガマズミの尾根 
     標識に惑わされ
やっと開けた富士岬平に出た。高指山まで20分
空は一時より明るくなったが、やはり富士山は見えない。雨の心配はなさそうだ。 
目の前にはススキの原で、山中湖が広がる。
 富士岬平(この標識がくせもの) 山中湖展望  何とか予定時間で到着できた。 
ここにある標識の向きがおかしいのでは?高指山はまっすぐススキの中の広い道を指している。でも、どう見てもそのまま行けば、麓に下ってしまう。左に行く道は草が茂っているが、向こうの鉄塔の先の山ではないのか?草をかき分け進んでみた。しばらく行くと、よく踏まれた道になった。あ~よかった。正解だった。 
 甲相国境尾根踏破    
アブラチャンの林の中を通り、バラシマ峠、鉄塔を過ぎ、最後にゆるく登ると目指す高指山無事到着。
3人で手を取り合い喜ぶ。予定より少し早いので、美味しいラスクでティータイム。あ~至福のひととき。 
   高指山到着やったー!  高指山(平野より)
  あとは山中湖に向かい、平野バス停へと下る。別荘地を抜け、麓に下るとさすが山中湖。テニスコートには若者が集い、歓声が上がる。 
高速バスで帰ろうかと、予約の電話をしてみたが混んでいて繋がらない。3連休なので無理かもしれない。道路も渋滞の可能性もあるし、電車にしようということに決め、路線バスを待つ。 
コンビニから戻ると、レトロバスの運転手さんが「富士山駅に行くよ。乗るなら早く」と手招きしている。 
別荘地  路線バスは5時12分発なのに、そんなバスがあるとは知らなかった。 
急いで乗ってしまったが、このバスはあちこち周遊し時間がかかる。予定の路線バスより遅い到着になってしまった。
富士山駅はリニューアルし、とても立派になっていた。少し待つと乗り換えなしで行けるホリデー快速がある。快速なのに、ちょっと昔の特急電車で旅をした気分。
甲相国境尾根は歩きがいのある静かな山で、心配していたバスの乗り継ぎもスムースにいったし、これなら道志方面にまた来られる。そのうち第二弾もやってみたい。
体力の限界と時間との戦いのような、こんな山歩きも面白かったが、一人ではとてもできない。仲間がいたからこそ踏破できた。一緒に歩いてくれた友人達に感謝。