マウントクック3754m
-mount cook-
2011/11/27-12/07
サザンアルプスの麓、NZ最高峰アオラキ/マウントクックを中心に2000~3000m級の山に囲まれた、温帯では珍しい氷河を見ながらフッカーバレーをフッカー氷河まで歩く。
アオラキとは、先住民マオリの言葉で”雲をもつらぬくもの”という意味だそうだ。ほぼ富士山と同じ高さ(3754m)のマウントクックは、今朝も暑い雲に覆われている。
8日目(12/5)
ホテルからバスで10分、フッカーバレーのスタート地点だ。キャンプ場の前を過ぎると、ハーミテージホテル発祥の地がある。
天災により1914年に今の場所に建て替えられたが、、暖炉だけは残っていた。
ハーミテージホテルよりフッカー谷を望む フッカーバレーへ
    フッカーバレーハイキング
まもなくメモリアルがある。この地で亡くなった人の記念碑で、銅板には死者のメッセージが記されている。  
道はほとんど平で、標識もあり、よく整備されていた。
残されたホテルの暖炉  アルパインメモリアル   
最初の吊り橋を渡ると、ビューポイントがある。山の斜面に沿って延びている氷河やミルキィ-ブルーの氷河湖がよく見える。  
     氷河
遠くから見ると、雪渓か氷河かわからなかったが、近くで見ると、氷河は青白く光っていた。 
岩が崩れ、土砂だと思っていた所が、下は14kmにも及ぶ氷河だそうだ。
 マタゴーリ(棘でマオリは刺青を掘った)  第1の吊り橋  
     
 ミューラー氷河末端のモレーン帯  氷河   土砂でコーティングされた氷河
レクチャー    
今日は、ガイドさんの説明を聞きながらゆっくり進む。 
原生種の花も多く見られるようになった。
ガイドは一守さん。日本の夏は北海道、冬はNZでガイドをしている。
  一守ガイドの説明を聞く   第2の吊り橋
ベテランガイドなので、一守さんだからと、今回のツアーに参加したファンもいた。 
岩場に沿って行くと、第2の吊り橋がある。だいぶ揺れる。 
    右も左も氷河と高峰のパノラマを眺めつつ進む  
氷河活動によって形成された堆積物、モレーン帯が迫ってくる。
ストッキング氷河という氷河は、昔はくるぶしまであったが、今では腿の辺りまで後退してしまっていた。 
迫る氷河(モレーン)   ホワイトスノーマーガレット (本当に足の形に見える) 
  NZ原生種  
NZの原生種白い小さな花が多い。 
「息子の嫁さんはNZ原生種のような人がいい」と言っている男性がいた。「そんな人、今どきいないわよ」と誰かがささやく。 
中間地点(避難小屋、トイレ有)    木橋 
イギリスの領土だった頃、大きく華やかな花を持ち込み、それが今国立公園でさえ、原生種を脅かしている。駆除するのが大変になっているそうだ。 
マウントクックは?  
この辺りから天気が良ければ、マウントクックの美しく威厳のある姿が見えてくるはずなのだが、あいにく今日は姿を見せてくれそうもない。 
ガイドさんも、10回歩いて、3回見られるのがやっとと言っていたので、相当確率は低い。
   マウントクックリリー(20歳) アルパインタソックが茂る、木道を行く 
その代わりマウントクックリリーはたくさん見られた。  
ガイドさんが「これは20歳、これは30歳、こちらは17歳」などと言うように、まだ初々しい見頃の花が多かった。50歳、60歳では寂しい。マッキンノンパスでも沢山見られたし、時期的にはちょうどよかった。
マウントクックリリーは、アルパインタソック(長い芝状の植物)に守られるように咲いている。写真を撮るのにタソックが邪魔だと思ったが、ちゃんと理由があったのでした。
氷河湖
フッカー氷河末端の氷河湖に到着。
最近の温暖化で、ここの氷河も後退が激しく、100年前は下まであったそうだ。
氷河湖には、氷河から流れ出した青白い大きな氷の塊が浮かんでいた。
氷河がすぐそこまで 氷河湖に浮かぶ氷
  ガイドさんに暖かいお茶のサービスをしてもらい、氷河湖のほとりでランチタイム。   
食事を終った頃、雨が降り出して来てしまった。
ハイキングは氷河湖までで、往路を戻る。雨のため、デージーの可愛い花も閉じてしまった。
氷河湖にて    閉じたデージー 
     映画の舞台
 NZは、ロードオブザリングバーティカルリミットの舞台になったことでも知られている。
昨日も、車窓から面白い岩山と思ったら、やはり映画に使われていた場所だった。 
 Freda du Faur記念碑  ロードオブザリングの舞台、U字谷  
人工物が何もない所が多く、幻想的な風景が多いので、映画を作るには好都合だったようだ。  
大石は、マウントクックに女性で初登頂した登山家 (Freda du Fau)が1910年に記念撮影した場所。 
写真を撮っていると、「それは外来種ですよ」とガイドさん。やはり、原生種の中では目を引く。    
途中でおばあさんとすれ違った。トイレ掃除に毎日行っている人だそうだ。トイレの汚物も、ヘリコプターで処理場まで運ぶという。 
  オダマキ(外来種)   ホークビット
NZ5ドル紙幣は、この地が故郷で、ホテルに記念館や銅像がある登山家エドモント・ヒラリーと、マウントクックがついているため、記念に持ち帰ることにした。 
ハイキングの後、希望者はマウントクック遊覧飛行が出来る。高所恐怖症の夫は、「絶対乗らない」というが、私はよい機会だから参加してみることにした。氷河の上にも降りて歩けるのも楽しそうだ。
 だが、結局悪天候のため中止になってしまった。  NZ5$紙幣
9日目(12/6)
海のように広いテカポ湖(氷河湖)のほとりをぐるっと周り、クライストチャーチ空港へ向かう。ここはよく、新車の撮影場所になるそうだ。
NZは日本車が多い。それも中古車。国産はないという。
テカポ湖ほとりのルピナス 「善き羊飼いの教会」
途中可愛い羊飼いの教会に立ち寄る。ここまで来て結婚式を挙げる、物好きな日本人もいるそうだ。 
ガイドの一守さんは、ハーミテージホテルの近くに住んでいるが、近くに商店など見当たらない。どうしているのか聞くと、買い物は200km離れた町まで時々行くのだそうだ。きれいで素晴らしい所だが、暮らすには大変なことだ。 
空路オークランドへ
15:10に南島クライストチャーチを発ち、16:20北島オークランド着。
気温がぐっと暖かく、よい天気。そして、都会だった。
オークランド   ポフツカワ  
街路樹はポフツカワ(ブラシのような花からは、上質の蜂蜜がとれ、エリザベス女王御用達)が満開。クリスマスの頃咲くのでクリスマスツリーとも呼ばれる。 
オークランドは、一晩過ごしただけで、翌朝は6時過ぎにホテルを出発し、帰国。あっという間の10日間だった。元気なうちに念願のミルフォードトラックを歩け、よい旅が出来た。NZは思ってた以上に素敵な国だった。そしていつの日か、ルートバーントラックも歩いてみたいとひそかに思っている。
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