乗鞍岳(3026m)
-norikuradake-

8月20日(土)雨 やはり外は雨。早目の朝食にしてもらい雨支度をした。気の毒そうに見送るペンションの奥さんを後に、集合場所の休暇村駐車場へと向かう。
皆と合流したあと、バス組3名登山組5名に別れる。私達は、登山口の鈴蘭橋駐車場へと移動する。
 クマさんも今年は歩きすぎたからか(歳のせいか)、左足付け根の筋肉を痛め、大事を取りバス組となった。
2003年より、乗鞍エコーラインはマイカー規制され、現在は低公害シャトルバスかタクシーのみの乗り入れとなる。
私達は、規制される前年、マイカーで畳平まで行き、剣ヶ峰に立ったことがある。
登山口はスキー場の広い草原で、クルマユリ初め、ソバナ、アザミなど咲き、お花畑になっていた。
広くて、登山道がどこから始まるのか分かりにくかったが、やっと標識があり、ここから鳥居尾根に入る。
鈴蘭橋駐車場 スキー場の草原(クルマユリ)
まだ道は緩やかで、歩き始めとしてはちょうどよい。シナノキ、ダケカンバ、ハンノキなどにに覆われ、雨はあまり気にならなくなった。 野鳥の声も聞かれるようになる。 
三本滝への分岐を過ぎると、コメツガなどの針葉樹林帯になる。
 鬱蒼として熊でも出てくるのではないか心配になる。誰も鈴を持ってこなかったので、歌を歌いながら歩いた。
エンジンの音が聞こえると思ったら、ひょっこり道路に出た。 
壊れかけた標識 樹林帯
県道沿いに少し進むと、また山道があった。木橋を渡り、沢沿いに登って行く。    
冷泉小屋(休業中)までは、山道と県道を出たり入ったりした。 
自転車で登って来る人もいる。
ナナカマドはもう真っ赤な実をつけている。
乗鞍エコーライン   タテヤマウツボグサ
    位ヶ原山荘までは、県道は大きくジグザグに上がって行くが、登山道はそれをショートカットするように登る。 
ベニバナイチゴはツヤツヤの真っ赤な実をつけ、クロマメノキも多く、口に入れたら、ちょっと酸っぱい。 
冷泉小屋前から再び登山道へ   急登  
こんな天気に下から歩いて登る人は他にいなかったが、初めて若者が4人追い越して行った。 
ぬくぬくとストーブが炊かれた位ヶ原(くらいがはら)山荘に入り、トイレをお借りした。  
   2人リタイア  
ここで売っている、手ぬぐいやバンダナはとてもセンスがよく、また来ることもないと思われ、記念に買った。
足が痛いと、Mさん親子がここからバスで行くことになった。 
位ヶ原山荘    チングルマ(穂) 
山荘を出て、右手から登山道へ入る。ここからは3人になってしまった。  
この辺りまで来ると、好展望だそうだが、ガスって何も見えない。     
 今までと違い、ダケカンバやナナカマドの灌木体で、岩がゴロゴロした急斜面の道になる。
 水量が多く、まるで沢登りのようだった。
   高山植物が多くなった岩場  ウサギギク・タカネシオガマ
  雨なのであまり写真が撮れなかったが、高山植物が多く見られる。  
私はこの夏は高山に来たのは初めてなので、チングルマウサギギクタカネシオガマイワギキョウ・・・など沢山の花が見られ、歩けることがうれしい。 
肩ノ小屋口、雪渓     チングルマ
肩ノ小屋口からは、雪渓の脇のハイマツ帯を登る。乗鞍岳は大雪渓で、サマースキーが出来ることでも知られている。 
雪渓が遅くまで残っていたと見え、チングルマもまだ穂になっていない花も見られた。ここからは本当にお花畑だった。秋の花、リンドウ、トリカブトや小屋近くではトウヤクリンドウも見られた。 
風雨が強くなり、小屋に着いた時はビショビショで寒かった。バス組3人がくつろいでいた。
ストーブのある食堂でうどんを食べて温まっていると、途中からのバス組2人が着き、これで全員集合した。
     バス組
畳平でバスを降り、雨も小振りだったので、三人で魔王岳を往復したそうだ。 
三人だけは、ライチョウを見ることが出来たそうで、Cさんのベストショット。
魔王岳(バス組) photo c  ライチョウ photo c  
 畳平までバスで来られる乗鞍岳は、今では小屋泊まりの人はあまりいないようで空いていた。  
部屋は2部屋もらえたので、ゆったりしていた。でも暖房の入っていない部屋は寒い。
ここでは、いつもではないらしいが、お風呂に入れた。夕食前にお風呂で温まったら、体の芯からポカポカになった。思いがけずうれしいサービス。 
Uさんは今日が誕生日。小屋の人から生ビールのサービスがあった。  肩ノ小屋夕食 
 テレビの天気予報を見ると、明日に期待は持てそうもない。雨はひどくなってきた。剣ヶ峰まで登るのは、明朝決めることにし、早目に就寝。
 8月21日(日)雨  急変
夜中に目を覚ますと、風と雨の音が強い。早朝起きたが、これは剣ヶ峰に行くのは無理かもしれないと、皆寝ていた。
すると6時ころ、部屋のドアを”ドンドン・・・”とたたく人がいた。「バス会社から連絡があり、風雨が強くバスが運休になる。7時のバスだけは出すので、それに乗って下山するように」とのこと。「えっ ~、それは大変!」小屋から歩いて畳平まで30分かかる。あと30分しかない。 
大慌てで荷物をまとめ、朝食のお弁当をザックに詰め、雨の中畳平へ急いだ。 
  結局山頂は踏めず、景色も見ることが出来ず、今年の親戚山行は終わった。 私の夏山もあっけなく終わった。今年も、忘れられない山行になった。  
無事に麓の温泉に着き、来年の計画など話し合った。一ノ瀬で手作りソーセージやドイツパンをお土産に買い、それぞれ帰路に着いた。 (このお土産は美味しかった)
1年に1回だが、計画をたててくれるUさんに感謝。来年も元気に集まれることを願っています。そして、よい天気に恵まれますように。 
 参加者全員(湯けむり館にて    
 乗鞍岳の花はこちら