尾瀬
ozegahara-ozenuma
 5月24日(土)晴れ一時雲り    
 宿の目の前に燧ケ岳から流れ出る沢がある。水量が多く、夕べは雨が降っているのかと2〜3度目が覚めてしまった。5時ごろ起きて外を見ると、尾瀬ヶ原は朝もやに包まれ幻想的な雰囲気だった。クマさんは一人で往復30分だという「平滑の滝」を見てくると出かけていった。  
 朝食の時宿の人から、『ここから燧ケ岳に登る登山道は前の沢と同じ水量です。危険ですから絶対行かないように』と注意があった。雪解けの時期はやはり川のようになってしまうらしい。
 宿の人に大清水までのルートを確認した。 尾瀬沼と燧ケ岳 
 『白砂峠から尾瀬沼、三平峠付近は積雪50センチくらいある。 尾瀬沼の沼尻から右岸は、雪でルートが沼に切れ落ち危険なので行かないように。』と言われた。
 もう一度皆で検討したが『せっかくだから尾瀬沼も見てみたい。昨日と違うコースを歩きたい』ということで、予定通り大清水へのルートに決めた。
 宿で”皆できれいな尾瀬を守ろう”キャンペーンに協力して欲しいといわれ、バッジを胸にゴミ袋を持って歩くことになった。お礼にと木道の廃材で作ったマグネットをもらった。気をつけながら歩いたが、最近は皆の意識が高まったのか、山開きをしたばかりからか、ごみはあめ1個だけで全く落ちていなかった。
   下田代十字路から白砂峠に向かう林道にさしかかると、雪が多くなり踏み跡を辿りながら歩いた。日当たりの良いところには、エンレイソウミヤマスミレコミヤマカタバミなど見られた。森の中に入るとここが尾瀬とは思えない雪景色で、スキー場のようだった。
 白砂峠から白砂湿原にかけては下りで、シャーベット状の雪が滑りやすい。それにしてもKayokoさんの足取りは確かで、長いブランクを感じさせない。やはり若い時に鍛えた人は違う。
 雪に覆われた白砂湿原  白砂湿原に降り立つと、そこは広い雪原だった。
 九州育ちのルリ親子はこんな雪の中を歩くのは初めての体験だそうで、とても喜んでいた。この湿原はハイカーたちが荒らしてしまったそうで、復元には長い年月がかかるらしい。
まもなく沼尻に着くとやはり雪が多かった。  
  一休みしてトイレに行くと、驚いたことにウォッシュレットだった。尾瀬のトイレは全部水洗できれいになっていたが、ウォッシュレットまで導入されているとはびっくり。
   予定より距離が長くなるが、沼をほぼ2/3周して左岸を行く。時々至仏山の頭が見えた。静かな沼に沿って歩いていると、水芭蕉が咲いていたが尾瀬ヶ原に比べまだ数も少ない。
 尾瀬沼休憩所からは燧ケ岳の雄姿が素晴らしい。尾瀬ヶ原から見るのと違い間近で大きい。
 キケマン  

三平峠の登りにかかると、雪が急に多くなってきた。今日は土曜日なので入ってくる人が多い。軽装の人が多いが、驚いたことにスニーカーの人や革靴の人までいた。公園に花を見に行くような感覚で、水芭蕉を見に行こうと思っているのか・・・

三平峠からは一ノ瀬に向け急斜面の下りになる。歩きにくい階段が続く。この辺りまで来ると雪はほとんどない。そうしたらもっと驚いたことに、ハイヒールやサンダルのお姉さんまで登ってきた。いくらなんでも、あの格好ではこの先は登れない。ここまででも、サンダルで来るとは根性がある。?  
 一ノ瀬辺りはタムシバキケマンニリンソウなど真っ盛りだ。  
 一ノ瀬到着1時半。遅いランチにゆであずきの缶詰でつくったお汁粉、あべかわ餅が美味しかった。甘いもののあとには茶店のところてんがまたおいしい。
 そこへ、あのサンダルお姉さんが戻ってきた。   タムシバ
 皆で顔を見合わせ、「やっぱりね〜」。大清水までは車で簡単に入れるし、一ノ瀬までも立派な林道なので、まさかその先雪があんなに多いとは思わなかったに違いないが、知らないということは恐ろしい。
 遠方から来たKayokoさんのためにも2日間天気に恵まれ、水芭蕉や他の花もたくさん見られ、心配していた雪だったがかえって珍しい雪景色の中を歩け、変化に富んだハイキングを楽しむことが出来た。