白神岳1232m
-sirakamidake-
 
 2004年6月27日(日)
行 程 
 深浦5:00ー白神岳PK5:30〜6:15(朝食)・・・二股分岐点7:00〜15・・・最後の水場7:55〜8:10・・・マテ山分岐8:50・・・白神岳山頂11:05〜11:45(昼食)・・・水場13:55〜12:10・・・PK15:50
 歩程:9時間25分
 深浦のホテルを5時に出発。途中の林道からは大型バスが入れないため、ホテルのマイクロバスで向かう。30分で駐車場に到着。登山口に建つまだ新しい建物は、トイレと無人小屋になっていた。  
 朝食と昼食用おにぎりを渡され、ここで朝食を食べる。私はあまり食欲がないが、長い行程のことを考え、おにぎり1個やっと食べた。
 ここでガイドさんが待っていた。今日のガイドさんは白神マタギ舎の人で、自分で作った青ダモの杖を持ち、長靴だった。浮世離れしたような雰囲気の若い男性だった。白神のこと、樹木のこと、植物のこと、環境汚染についてなど知識が豊富な人で、登りながらいろいろ教えて貰った。
 歩き始めは曇っていたが、だんだん空は明るくなり少し日が射してきた。  登山口(後方はトイレと小屋)
 こちらの人が白神岳に登る際に祈るという、大きな(樹齢約300年)ブナの木に登山の無事を祈った。二股分岐を過ぎると、ブナや青森ヒバの原生林になる。  
   一時霧が晴れ、日本海が見え歓声が上がったが、またガスに包まれてしまった。でも白神の森はかえって幻想的だ。
 ブナは大きいものだと根の周りに8トンもの水を含むという。信じられないような話しを聞く。
 実生のブナが1メートルになるには10年もの歳月がかかるのだそうだ。この辺りのブナは100〜200年は優に越えている。
 最後の水場    
 時々見られるウダイカンバクロモジは、油分を多く含むため、どんなに濡れても簡単に火がつくらしい。実のなる木も多いようで、サルナシは甘くてキーウィのような味がするので、動物と人間が競争で食べるそうだ。またぎの人たちの知恵だ。  
 ここからは登りがきつくなる。私は朝食のおにぎりを食べてからどうも胃の調子がよくない。疲れてきたら、水ものどを湿らせる程度しか入らなくなってきた。
 長い行程なので、みな休みのたびに行動食をとっているが、私はウィダーインゼリーをほんの少し食べた程度で、気持ちが悪い。添乗員さんに胃薬をもらったがなかなよくはならなかった。
 往路復路とも同じコースなので、引き返そうか、ここで待っていようか考えたが、せっかく憧れの白神まで来たのだから何とか頂上を踏みたい
 くまさんも一緒だし、頑張れるだけやってみることにした。   ブナに絡まるツルアジサイ
 ブナに絡まるツルアジサイがたくさんの花をつけていた。ブナの幹の割れ目にサーモンピンクの不思議な物体?。ラグビーボールくらいはありそうなそれは"マスダケ”というきのこで、とても美味しいそうだ。から揚げにすると、鶏肉よりずっと美味しいらしい。白神の森はきのこも豊富で、特にマイタケは1キロくらいの株もとれるそうだ。
   マテ山分岐からブナ林の尾根道が続く。ブナ林を抜けると最後の急坂、潅木帯を登る。この辺りは花が多い。7月に入るとお花畑になるそうだ。稜線に出たところが十二湖コース分岐で、山頂へは右に20分ほど。
 この尾根を挟んで、反対側が世界遺産の白神山地になる。白神山地からは登山道はなく、沢を登るそうだ。
 山頂手前にトイレがあり、その先に避難小屋(写真後方)がある。白神岳到着11時。晴れていれば、山頂から東側に連なる白神山地、日本海ととても眺望がよいそうだ。
 白神岳山頂1232m  あいにく今日は全て真っ白。何も見えず。
 山頂でランチタイム。私はまだ食欲がなく、結局何も食べられなかった。クマさんの食欲がうらやましい。私のおにぎりまで平らげてくれた。   木登りは得意で、木の上に枝を集め木の実を食べるため休む場所も作るそうで、それとわかる巣のようなものがあった。 
 下りは往路を戻る。  最後の水場まで戻った頃にやっと少し気持ちが良くなり、ミニアンパンを1個食べられた。何とかもった天気だったが、雨が少し降ってきた。でも、湿度が高く皆汗びっしょりだったので、雨具は着ずに下山した。
 クマにあったら木に登るなんてことは絶対してはだめだそうだ。ガイドさんの教えてくれたブナの木に、はっきり残るクマの爪あと
 
   クマの爪あとがあるブナ  
 卒論は酸性雨についてだったというガイドさんに、覚えきれないほどのことを教えて貰った。ゆっくりペースだったので、調子が悪くても何とかついて行けた。ツアーも少人数でガイドさん、添乗員さんも経験豊富な人だったし、クマさんが一緒だったことも心強かった。  

後で添乗員さんが食べられない時は、無理に食べない方がよいと言っていた。長丁場なので、少しでも食べなければいけないと思っていたのが、裏目にでてしまった。

 今夜の宿は、白神からバスで3時間あまり。八甲田山のふもとの期待の酸ヶ湯(すかゆ)温泉
 このツアーの参加者で酸ヶ湯温泉に泊まれるので参加したという人もいたほど。  酸ヶ湯(すかゆ)温泉
 湯量豊富で乳白色の温泉は山の疲れをすっかり癒してくれた。千人風呂は混浴。夜と朝の2回女性専用になる。湯治に来ている人も多いそうだ。その名の通り、飲むとお酢が入っているかのように酸っぱい。
 白神岳の花
チシマフウロ イブキトラノオ ウラジオヨウラク ハクサンシャクナゲ