後方羊蹄山(北海道)1898m
-shiribeshiyama-
  2009年6月26(金)~27日(土)
行 程(10時間45分/標高差1548m)
4:35  ホテル  札幌  19:15
京極温泉  17:00
4:50~5:10  ひらふ登山口  16:00
6:10(休10分)  2合目  15:25(休5分)
   3合目   15:10(休5分)
6:55  4合目  14:55(休5分)
7:25  5合目  14:20(休5分)
7:55(休15分)  6合目  14:05(休5分)
8:35  7合目  13:40
9:15  8合目  
9:35(休10分)  9合目  13:10
北山    避難小屋   12:35(休15分)
真狩コース分岐   11:55
10:50(休30分) 羊蹄山山頂     
メンバー:kuma.yukky(2名) 宿 ホテルニセコアルペン(1泊夕食付\7000) 
 しりべしやまへ  
札幌に住む娘夫婦のところに行くので、1日は、私の誕生日記念羊蹄山に登ることにした。6月13日が山開きだったそうだ。 
蝦夷富士とか、簡単に羊蹄山と呼ばれているが、本当は後方羊蹄山(しりべしやま)という。天気予報などでは、後志(しりべし)になっていた。 
 羽田を7時25分に出て、札幌経由でその日のうちにニセコに向かった。一緒の飛行機だったグループが、今日ニセコアンヌプリに登り、明日は羊蹄山に登ると言っていた。どこかで会うかもしれない。
 倶知安まで来ると、富士山にそっくりな独立峰が現れた。まだだいぶ雪渓も残り、どーんとそびえる山に圧倒され、登れるか本気で心配になった。 
 後方羊蹄山(京極より)
   倶知安(ひらふ)コースを行く
 この時期北海道朝4時には明るくなり、夜は8時頃まで明るいので、登山をするには好都合だ。4時起きで、バナナを食べて、ひらふ登山口へ向かう。
 羊蹄山は、富士山5合目からの登山とそっくりだそうで、標高差も富士山(5合目より)が1406m羊蹄山は1548mある。だが、富士山は5合目以上に山小屋がたくさんあり、水や食料の補給もできるが、羊蹄山は、避難小屋があるだけで、基本的には日帰りで往復登山をしなくてはならない。
 kumaさんとは、無理をせずに、だめだったら途中で引き返そう。と話したが、私は密かに”絶対登る!”と心に決めていた。
 半月湖先の駐車場には、早朝にかかわらず、すでに到着している人達や、ここで全泊した人達で賑わっていた。 
  登山届提出
 雨のちブヨ  
 皆、長丁場なので、早朝出発で、余裕のあるスケジュールを立てているようだ。
  爽やかなよい天気だが、頭上にある黒い雲が気にかかる。クマよけベルをつけ、森の中へと入っていく。
 最初は緩やかに、針葉樹林帯を行く。足元には、サイハイランがたくさん咲いていた。
 やっぱり降ってきた。最初は森の中なので、あまり濡れないが、傾斜が急になる手前で雨具を着た。幸い雨は30分程度で止み、日が射してきた。2合目に着いたところで、雨具を脱ぐ。皆、ここで一休みしている。
 雨が上がったら、急に虫が多くなってきた。休むと、まとわりついてくるのには閉口した。長袖のシャツの上からも刺され、帰京してからいつまでも痒かった。 
 2合目
 雲海に浮かぶニセコアンヌプリ  
 合目ごとに、少し広くなった休憩場所がある。4合目までは100mごとに、それ以上は200mごとになっている。私たちもそれに合わせ、水分補給と休憩をとった。
 道は標高500mを過ぎたあたりから、山頂までず~っと30度級のジグザグ急斜面になる。
 傾斜が増すと、展望が開け、雲海の中にニセコアンヌプリが浮かんでいる。昔、あの山のふもとで、でスキーをしたことがあったけ。
エンレイソウサンカヨウは、この辺りではもう実になっている。 
 標高が上がり、エゾマツやダケカンバ帯になった。 ニセコアンヌプリ 
   
  6合目(ダケカンバ帯)   えぐれている登山道(5~6合目)
   なぜか東京の人ばかり
 登りながらいろいろな人と話したが、なぜか東京か、関東の人ばかりだ。北海道の人は登らないのだろうか。なんと、こんなところで同じ八王子の人とも会った。
国分寺から来たという男性は、会社が不況で金曜日も休みになりやって来たのだと、ちょっと深刻な話をしてくれた。 そして、○○富士と付く山に登っているそうだ。そういう登り方もあることを知った。
 見晴らしのよい6合目でゆっくり休憩をとった。アンヌプリもだいぶ下のほうに見える。やっと半分。まだまだ先は長い。
  遥か下方にニセコアンヌプリ しばらくは、ただひたすら 登る。
 ♫ シラネアオイ大群落 ♪  
 8合目を過ぎると、シラネアオイがあった!と喜んでいたら、そこより上は、シラネアオイの花園。ダケカンバの中にず~っと奥の方まで咲いている。花も大きく、見事だ。
 こんなにすごい群落を見たことがない。今まで見た山では、やっと一株か、二株、それも花は少なかった。
 急斜面続きで、かなりきつく、だいぶへばっていたので、この出会いは、元気を取り戻す
 ここからは、雪渓が残っているところもあり、融けたばかりのところには、エンレイソウエゾエンゴサクサンカヨウなどたくさんの高山植物が見られた。
9合目からは山容が少し変わり、ハイマツ帯になった。   シラネアオイ
   
 9合目(やっと、やっと辿り着いた!眼下には半月湖も見える)
   
  まだまだ続くシラネアオイの花園  山頂は近い(ハイマツ帯)
  大火口(父釜) 
9合目からは傾斜が緩み、30分ほどで大火口壁に出る。お花畑探勝ルートの北山経由で行くと、ハイマツ帯の中に、シラネアオイキバナシャクナゲコケモモエゾノツガザクラメアカンキンバイハクサンチドリ・・・次々に目を楽しませてくれる。キバナシャクナゲと、メアカンキンバイは大群落を作っていた。羊蹄山の花こちらへ。 
火口壁に出ると、周りにはまだだいぶ残雪もあり、底の方は水が溜まっていた。ぐるっと一周見渡すと、一番大きい父釜、母釜、子釜があり、時計回りに山頂を目指す。 
 この火口巡りは、大展望と花いっぱいの楽しいコースだ。
風が強いが、寒くはなく上着を着る必要もなく、ちょうど良い。 
 火口壁に着く  
   
 キバナシャクナゲ   メアカンキンバイ
   
 山頂に向け火口壁を歩く   父釜(山頂より)
 大展望の羊蹄山山頂  
花を楽しみながら、緩やかなアップダウンを繰り返し、岩のゴロゴロしたところを上がると後方羊蹄山山頂に着く。ちょうど半周したところになる。 
360度の展望で、雲がプカプカ浮かび、眼下にはニセコ山系を一望できる。 
 登山口を5時過ぎに出発し、5時間半余りかかった。この雄大な景色を見ると、満足感でいっぱいになり、大変だったことは一時忘れてしまう。 
 ランチと展望を楽しみ、避難小屋経由で下ることにした。
今までと違い、岩場の多いルートになった。 賑わう後方羊蹄山(1898m)山頂 
      途中からは洞爺湖も見えた。
 避難小屋に寄ると、まっすぐ9合目に向かうより30分余計かかるが、トイレを借りるためそのルートを下ることにした。
 火口壁の残りの半周は、岩場が多く気が抜けない
   
真狩コース、避難小屋分岐    羊蹄山避難小屋(管理人在中)
   
  ナナカマドとチシマザクラあ(小屋付近)  小屋近くの雪渓 
  あ~~疲れた  
 避難小屋は、管理人が在中し中もきれいになっていた。雪渓のある時期はまだ水の確保ができるが、あと1週間もすればそれもなくなり、雨水に頼るだけだそうだ。
気になっていたヒグマのことを聞くと、羊蹄山は、独立峰で水がないため、クマはほとんどでないそうだ。安心した。 
 靴紐を締め直し、ウィダーインゼリーを飲み、長い下りにかかる。合目ごとに休みをとるが、体力があるうちはよかったが、7合目くらいから次の合目がとても長く感じられた
 6合目であった若者グループは、今日初めて北海道の人たちだった。避難小屋泊まりだそうで、大きなザックを背負っていた。  
 登山口駐車場(トイレ、水場あり)
  だんだん足にきて、少し多く休みを取り、転ばないように 注意しながら、やっとのことで駐車場に着いた。車はだいぶ少なくなっていた。行程は10時間45分もかかった。でも、無事に登れ、達成感いっぱいの気持のよい疲れになった。
 京極温泉で、露天風呂から羊蹄山を眺め、 ゆっくり温泉に浸かった。一路札幌へ。
  関東は梅雨の時期だが、北海道はからっとした晴天で、とても涼しかった。羊蹄山は、これから7月いっぱいは高山植物が楽しめるそうだ。