谷川岳(1963m)西黒尾根~厳剛新道
-tanigawadake-
 2013/06/10(月)曇り時々晴れ  
「この時期、谷川岳は花がいいから、行ってみないか?」と新潟のS夫妻から急にお誘いがあった。私達はここのところきつい山行が続き、しばらくはゆったりハイキングでいいと思っていたが、Sさんが言うのだからきっと花がいい時に違いない。
谷川岳は、2年前にツアー登山で行ったが、ひどい天気で展望もなくオキノ耳は行かれなかった。リベンジしたいし、せっかくのチャンスなのでご一緒させてもらうことにした。 
今回もドライバーはクマさん。ロープウェイ駅の駐車場で8時に待ち合わせ、一気に天神平駅へ。
    八王子 5:30(マイカー)
水上IC 7:30
谷川岳PK 7:50~8:10
天神平駅 8:30~40
熊穴沢避難小屋 9:50~10:05
天狗の留り場 10:50~11:05
肩ノ小屋 11:35~12:00
トマノ耳  12:10~40 
 オキノ耳・ノゾキ 13:20~30 
 トマノ耳 14:00 
 厳剛新道分岐 15:40~50 
マチガ沢出合 17:50~18:00
谷川岳PK  18:35~50
走行距離:366㎞  ETC¥3400×2 PK¥500  メンバー:s2.t2.k2・・・6名    八王子 21:45 
花・花・花・・・
ロープウェイからも残雪の白毛門朝日岳武尊岳までよく見える。
天神平に降りると、初めて見る(前回は見られなかった)双耳峰のトマノ耳、オキノ耳も見えた。
谷川岳(トマノ耳・オキノ耳) 白毛門・朝日岳
そして、早くも紫色の雅な花出現。シラネアオイだ。イワウチワの、透けるようなピンクの可憐な花もたくさん見られた。群生地もある。
タムシバムラサキヤシオ… 花があるたび足が止まり、写真撮影。これではいつ山頂へ着くのやら。
シラネアオイ イワウチワ
雪解けの頃咲くショウジョウバカマも、標高が上がるに従い元気だ。
濃いピンクのイワカガミも多い。中には白花も見られた。
時々右側には谷川岳の鋭鋒が望める。雪が残る美しい姿だ。
残雪の登山道 穴熊沢避難小屋
    避難小屋を過ぎ、岩場を登ると天狗の留り場という大岩がある。山頂と肩ノ小屋が見えてきた。 
 ナエバキスミレエチゴキジムシロなど、黄色の花が目立つようになる。まだカタクリが残っているところもあった。
 岩場登る  ムシカリと山頂残雪 
天神ザンゲ岩を過ぎると、雪渓を登る。以前行ったのは7月だったので残雪も少なかったが、今日は多い。
最初は少し急斜面で、後ろでは山ガール達が怖い怖いと賑やかだ。雪の上は涼風が気持ちいい。 
肩ノ小屋に着き、後続隊を待つ。風が強くパーカーを着た。
雪渓登る 肩ノ小屋
今日は快晴ではないが、展望はよい。万太郎山から仙ノ倉への稜線も一望のもと。
小屋でトイレ(¥100)休憩の後、トマノ耳を目指す。稜線に出たら、ここにもシラネアオイが咲いていた。
稜線分岐 谷川岳(トマノ耳1963m)
小屋付近は風が強かったので心配したが、山頂は風も穏やかでゆっくりお弁当を広げられた。 
平標山からその先に平な山頂の苗場山まで大展望。反対側には、去年悪天候で登れなかった巻機山が薄っすら見える。(いつか行くからね~) こんなに大展望の山だとは知らなかった。 
トマノ耳にザックを置き、向こうに見えるオキノ耳からノゾキまで行く予定だ。
付近にはミネザクラが満開だ。
次のオキノ耳までは岩場の登りがあるが、まさに稜線漫歩が楽しめる。
ミネザクラと稜線 オキノ耳(1977m)
途中で会った人が、「山頂手前はハクサンイチゲがたくさん見られる」と言っていたが、本当だった。まだ瑞々しい花が多かった。
シャクナゲの木も多いが、花は少ない。当たり年はこの岩山が花園になるのか?思っただけでもワクワクする。
ハクサンシャクナゲ ハクサンイチゲとトマノ耳
オキノ耳で記念撮影をし更に進むと、こんな山の上に富士浅間神社奥の院の立派な鳥居があった。
その先が一ノ倉岳茂倉岳へと続いている。
オキノ耳(1977m) 富士浅間神社奥の院
オッ~これが一ノ倉沢!
一ノ倉沢がのぞける岩場に立ってみた。ノゾキという岩場だ。
深い谷の一ノ倉沢へ、いく筋もの雪渓が流れ込む。オーバーハング気味の岩場は、背筋がゾワゾワする。
稜線漫歩  一ノ倉沢
岩陰にチングルマが咲いていた。可愛い姿だけれど、厳しい環境に耐える強い花だ。 
風もなく穏やかで、大展望が楽しめた。ここで引き返す。ザックを取りにトマノ耳へ戻る。 
 チングルマ    西黒尾根
これからは、分岐まで戻り、日本三大急登の一つ西黒尾根を下る。私は、初めての三大急登チャレンジだ。
きつい西黒尾根とブヨ襲撃
気の抜けない急な下りが続く。
小さな虫が多く、体の周りをブンブン飛んでいる。ブヨのようだ。岩場が多く大変なのに、集中が途切れてしまいそうだ。
雪渓を下る 急下り
そういえば、雪解けの頃気温が上がると、虫が湧くのだった。今回虫よけ対策をすっかり忘れていた。
時々チクッとする。刺されたらしい。ゆっくり休みも取れない。
振り返ると、さっき登った双耳峰がもうあんな所に離れてしまった。
谷川岳双耳峰を振り返って 岩場
ホソバノヒナウスユキソウ ペンキ印頼りに下る ハクサンコザクラ
急な岩場にホソバノヒナウスユキソウが咲いていた。やっとの思いで写真を撮ったら、その先まだまだたくさんあった。     
ハクサンコザクラクモイイカリソウなど、このコースで初めて見る花も多い。こちらへ来てよかった。 
   ラクダのコル(厳剛新道分岐)  鎖場
   やっとラクダのコルまで来た。ここから西黒尾根厳剛新道に別れる。
Sさんが「西黒尾根は樹林帯だから、展望のよい厳剛新道を行こう。」という。なんだか怖そうな名前だが、このルートを切り開いた人の名前からついたそうだ。 
マチガ沢谷川岳を見ながら下れるが、やっぱり怖かった。鎖場の連続、急斜面の雪渓では念のためアイゼンをつけた。
雪渓渡る     
何回目かの鎖場で私の靴が滑り、前を行くKさんのおでこを蹴飛ばしてしまった。もう少し間隔を空けなければいけなかった。基本的なミスだ。
 すぐに冷えピタを貼ってもらったが、幸い怪我や痣にはならず本当によかった。 
この長い急下りで私はヨレヨレだったが、S夫妻は足取りも確かで、テンポよく降りて行く。やはり難所では、経験と技術がものを言うのだと感心してしまった。
マチガ沢出合無事到着!
 それに、私達が疲れてきて危なっかしい所では、Sさんがうまくリードしてくれ、頼りになる兄貴のようなリーダーだった。 
長い長い西黒尾根からきつい厳剛新道。全員無事マチガ沢出合に着いた時は、もう6時になろうとしていた。
いつもなら最後の舗装路歩きはうんざりなのだが、今日はほっとした。のんびりブナの原生林を駐車場へと向かった。よい花の時期に誘っていただき、最高の谷川岳でした。ありがとうございました。
ブヨの集中攻撃にあったクマさんは、翌日病院へ行った。全く刺されなかった人もいたが、その違いは何なのか?しばらくはひどく痒かった。
谷川岳の花