毛無山(1500m)~十二ヶ岳(1683m)
-kenashiyama/zyunigatake-
   2011年11月14日(月)
行 程(6時間25分) 
八王子 7:00
毛無山登山口 8:10-25
長浜分岐 8:45
長浜コース合流 9:30-35
毛無山 10:00-15
十一ヶ岳 11:15-25
十二ヶ岳 12:05-40
13:25
桑留尾分岐 13:45
毛無山登山口 14:30-40
走行距離:180km(ETC¥950×2)  いずみの湯 14:50-16:40
メンバー:凸凹山岳会・・・4名  八王子 18:45
先月雨で延期にしていた、富士五湖の一つ西湖畔にある毛無山から十二ヶ岳にやっと行けることになった。
毛無山から十二ヶ岳の間が、一ヶ岳二ヶ岳・・・十二ヶ岳までアップダウンが続く。特に十一ヶ岳から十二ヶ岳にかけては、深いキレットがあり長いクサリロープが続き、谷には吊り橋がかかっている。
Jさんは楽しみにしているが、私はちょっとビビっていた。今回、残念ながら一緒に行くはずだったSさんが、急用のため行かれなくなった。
毛無山へ
今日は雲が多いものの、陽射しがあり暖かい。
この山は車の方が便利だと、クマさんの運転する車で出かけた。
河口湖を過ぎ、文化洞トンネルの手前に駐車場がある。もうすでに7~8台停まっていた。
毛無山登山口PK カエデ紅葉
駐車場の奥に登山口がある。トンネルを乗り越え、樹林帯の道を高度を上げながら進む。
すぐに足和田山からの道と合流。
時々オレンジ色のカエデが明るい。
ジグザグに登っていくと、木々はほとんど葉を落としている。
マムシグサ 急登が続く
 
♪枯葉散る~~♪ ちょっと一息 梢の間から十二ヶ岳を望む
傾斜がきつく、汗ばんできた。
少し緩やかになった頃長浜コースに合流した。アザミは穂になっていた。
高い木がなくなり、カヤトの原になると一気に展望が開けた。
眼下に河口湖西湖が見渡せる。
長浜コース合流 カヤトの原より西湖望む
1時間半ほどで、毛無山頂に到着。
南面の展望がよく、富士山は目の前だがほとんど雲に隠れていて残念。山頂付近は白い。先週の寒い日、富士山は雪だったようだ。
富士山には雲がかかる 毛無山1500m(まだ余裕)
山頂のカラマツは、もうほとんど葉を落とし、ツルウメモドキが殻の中から橙色の実をのぞかせていた。 
 毛無山は通過点に過ぎず、これからがクライマックス。先着の人たちが、この先行くかやめるかもめていた。
 一ヶ岳から十二ヶ岳へ    
こじつけたようなところもあったが、ここから一ヶ岳から十二ヶ岳まで、ピークには標識がある。 
三ヶ岳で会ったご夫婦は、ここで引き返すそうだ。 
 追い越した人に、「笑ってられるのも四ヶ岳までだよ。」と言われた。
四ヶ岳は展望がよい。   一ヶ岳 四ヶ岳下り 
四ヶ岳の下りで、ロープ出現。でも、足場もあるし、小手調べというところだった。 
五~十ヶ岳は、ところどころ短いロープがついた岩場はあるが、それほど怖い所もなく、無事通過。
 破線ルートながら登山道は間違えやすいところもなかった。
四ヶ岳を振り返る 九ヶ岳へ
     いよいよハイライトへ
十一ヶ岳の長い登りを過ぎると、目の前に十二ヶ岳が立ちはだかる。
チョコレートを一粒口に入れ、小休止して息を整える。 
花が咲いたように、小さな赤い実をつけた木があった。
 十一ヶ岳へ向け登る  
ワァ~~~長いロープ
見下ろすと、長いロープが二ヶ所もある。1本目を下り、2本目に変えて岩場を下る。約40mあるそうだ。
2Fさんが、「3点支持、しっかり確保してから次の下りへ。慌てずゆっくりと」とアドバイスをくれる。
 向かいには十二ヶ岳 さあ!長いロープ下りだ
Jさんが先に下る。次は私。途中で、足をどこに置こう?迷ったがなんとかクリア。 
ロープは長いので、一人が下り終えるまで待つ。振られてしまうし、もしもの時の巻き添えを防ぐためだ。  
     
 Jさんが遥か下に  次はキレットの吊り橋  そしてまた鎖場
 
ドキドキ、ガクガク 
長いロープ下りを終わると、待っていたのはキレットにかかる吊り橋。心臓はバックンバックン、足はガクガクだが、躊躇していては、渡れなくなりそうだ。決心して両側のロープをつかむ。ユ~ラ、ユラ揺れ怖いよ~。もちろん一人づつ。 
 渡り終えたJさんが、「これ、どっちへ行くの?」左に、岩を巻く道がついていた。
十一ヶ岳を振り返る (下には吊橋を渡った2Fさんが登って来る)   
ほっとしたのもつかの間。まだまだ続く、ロープの岩場。今度は140mの登りだ。 でも下りに比べたら、登りの方がずっと楽だった。    
岩にしがみつきながら見ると、辺り一面イワカガミの葉がぎっしり。これは春も楽しみだが、もう2度と来られそうもない。 
  イワカガミ(葉)大群落   黄金色の風知草の道
広くなった所は桑留尾への分岐で、風知草が黄金色に揺れている。少し右へ行ったところが十二ヶ岳山頂。
 いろいろな人のサイトを見て、怖そうだとは思っていたが、これほどまでとは思わなかった。去年の忘年山行で行った、大山三峰山くらいかな?と思っていたが、それ以上だった。ちょっと甘く見ていた。
    やったー!十二ヶ岳登頂  
全員無事登頂出来、思わず握手を交わし、小さな祠に手を合わせた。 
毛無山で行くのをためらっていたご夫婦もやって来て、興奮気味に話しかけてきた。 
 十二ヶ岳より西湖を望む   十二ヶ岳登頂(1683m) 
ほっとしてお弁当を広げていると、次から次へと人がやって来る。 
「槍よりずっと大変だった!」「これはすごかった!」 冷や汗と汗でグショグショになりながらも、皆満足げに笑い喜びに沸いていた。知らない人でも、同じ大変さを共有でき、狭い山頂は和気あいあいとしていた。
下山は、分岐に戻り桑留尾へ。    
最初は滑りやすい、急坂が続く。 
陽だまりでは、オヤマボクチやヤマズハハコ、ニガナも咲いていた。
 林相が変わり、ブナの大木が多くなってきた。
樹間からは毛無山から続くギザギザの稜線が見える。
  滑りやすい急坂   オヤマボクチ
   穏やかに下ると、ほとんど流れのない沢を渡る。
桑留尾分岐を駐車場へ戻るため、左へ行く。
途中、通学路の標識があった。山の中に通学路?と思ったが、その先には、石垣や家の土台が残り、昔はこの辺りまで人が住んでいたようだ。
檜と自然林の稜線 桑留尾、文化洞トンネル分岐
西湖畔に下山すると、神社の境内は一面イチョウで黄色一色、民家の庭には、イチイが真っ赤なルビーのような実をつけていた。 文化洞トンネルを抜け駐車場に着いた。
下山し落ち着くと、あらためてすごい山に行けた喜びに浸る。 
充実の山行
ずっと冷静で、的確なアドバイスをしてくれた2Fさんが一緒で、とても心強かった。
Jさんは小柄ながら、脚力と柔軟さで高い段差も、どんどんこなしていく。
毛無山から十二ヶ岳(中央奥のギザギザ) 文化洞トンネル
今日は風もなく穏やかだったが、濡れていたり、強風のときは危険な山だ。今まで事故はなかったのか。
「あの長いロープは、結構岩で擦れていた。絶対ロープや鎖を100%信用してはいけない。信じられるのは自分の手と足だけ。それにしてもこんなに長い岩場は、高山でもなかなかないよ。」と2Fさん。皆に感謝です。
高所恐怖症と言っていたクマさんも、それほどでもない様子。いつか、槍へも登れるかな?
下山後いずみの湯で汗を流し、2Fさんとクマさんはグラスを傾け大満足。帰りは私の運転で帰宅。
 数日後Jさんから「行ってきてみると面白かった。春はお花もよさそうよ。」とメールが来た。私にはもう無理そうだ。