文学散歩① 
 
 多摩市民塾「山に行ってエッセイを書こう」が終わり、講師の先生が『多摩文学散歩の会』を企画してくれた。一年に4回の予定で、多摩から東京近郊を廻る。
第一回目は、『太宰治』と『山本有三』の足跡を訪ねて、三鷹に集合し市街地を約5キロの散歩。 
太宰治  
三鷹駅前には太宰横町という通りもあり、太宰がよく通ったという小料理屋跡、下宿していた跡地などにあちこちに案内板がある。
小料理屋「千草」跡    野川家跡
「太宰治 文学サロン」となっているところは、太宰がウィスキーを買い求めた「伊勢元酒店」跡地だそうだ。     「井心亭(せいしんてい)」は、文化施設になっていて、向かい側に太宰が住んでいた借家があったそうだ。その庭にあった百日紅の木が移植され、今が盛りと咲いていた。
 資料が展示され、説明もしてくれる。 毎年ここでは、太宰治文学賞選考委員会も開催されているそうだ。
   太宰治 文学サロン  
    禅林寺で太宰治の墓にお参りをした。向かいには、太宰が尊敬する森鴎外の墓がある。 
毎年6月19日の「桜桃忌」には、ここに大勢の愛好家が集まり、供養されるそうだ。 
 太宰治の墓  玉鹿石(ぎょっかせき)  
最後に、玉川上水の入水地点といわれている「玉鹿石」へ行く。今ではとても自殺などできそうにない玉川上水だが、当時は水深2mもあったそうだ。 
山本有三     
記念館は、S11~21年まで山本有三が住んだ、大正末期の本格的な洋風建築。床、窓、家具など凝った作りになっていた。 
入口手前には「路傍の石」があり、広い庭は有三記念公園になっている。 
   生きとし生けるもの 山本有三記念館 
ボランティアの人が、部屋を案内しながら詳しい説明をしてくれる。 
最近純文学など、まったく読んでいなかったが、個人ではなかなかできない楽しい散歩ができた。これを機に少し読みなおしてみようかと思った。 
 2012/09/15