文学散歩 25
2018/09/08(土)晴れ
落合文士村・林芙美子記念館から哲学堂公園
新宿区の西郊から中野区にかけて歩く。新宿でもこの辺りは閑静な住宅街だ。落合文士村と呼ばれ、プロレタリア文士や芸術家たちが暮らしていた。
9月になったとはいえ、今年は猛暑が続く。初めて降りる西武線中井駅に集合した。我が家からは大江戸線で行くのが便利そうだ。 
 行 程
 西武新宿線中井駅13:00ー林芙美子記念館13:15~13:50ー中井御霊神社14:05ー妙法寺川沿いー哲学堂公園14:25ー蓮華寺ー哲学堂公園15:30ー野方配水塔ー新井薬師前駅16:00
 行程:3時間  3.0 約km    参加者:19名
林芙美子記念館
林芙美子の代表作に「放浪記」「浮雲」がある。
心臓まひで47歳で急逝。亡くなるまでの10年間を内縁の夫、手塚緑敏(画家)とこの地に暮らす。
自ら建築を学び、京民家風の
林芙美子記念館の庭と家屋(山口文象設計、宮大工が建てる) こだわりのある家。
戦時中建築制限や、物資が不足する中、風通しや収納に工夫を凝らし、台所、茶の間、風呂など現在にも通じる造りになっている。70年も経っているとは思えない。
中井御霊神社
本殿は江戸時代の社殿。狛犬も最古のもの。新宿区の文化財。
境内にはカヤの木の大木がある。
中井御霊神社 カヤの木(新宿区みどりの文化財)
   蓮華寺 妙法寺川に沿って歩く。 
境内に哲学堂を造った井上円了の墓がある。 井桁の上に丸い石が置かれている。 以前は蛍が飛び、染色に利用されていた妙法寺川だが、現在はコンクリートの堀のようになっている。
井上円了は現東洋大学の創設者で、妖怪博士とも呼ばれてる。   林芙美子もこの辺りは、お気に入りの散歩コースだったようだ。
井上円了の墓     
哲学堂公園
都の名勝。中野区文化財。哲学世界を視覚的に表現した哲学の公園。 
 広い園内には野球場もあり、少年たちが暑い中励んでいた。
四聖堂(左)・六賢台(右) 鬼瓦は天狗
哲学の庭には、彫刻家ワグナー・ナンドール作、老子、釈迦、キリストなどの彫刻が置かれている。
公園で30分休憩。あまりの暑さに、園内のお店でカキ氷をみつけしばし涼む。
哲理門(左に幽霊像)工事中 哲学の庭(ワグナー・ナンドール作)
野方配水塔、通称みずのとうは、 1929~1966年まで中野区周辺の家庭を支えていた。現在も常に水は新鮮に保たれ、震災災害時に給水される。壁面には戦時の弾丸の跡があるそうだが、よくわからなかった。  
 帰路は新井薬師前駅に向かった。 
 文学散歩は、近くでも今まで行ったこともない地域を案内してもらえる。文学の話はもとより、東京にもこんなところがあったのかと、再発見することもしばしばある。この会が今年で終わってしまうのは寂しい限りだ。
     野方配水塔(みずのとう)