文学散歩⑦
 2014/03/22(土)
第7回文学散歩は武蔵境駅に集合し、国木田独歩下村湖人を偲び玉川上水を歩く。今日は気温も上がり、散歩日和になった。今回の参加者は15名。
国木田独歩
国木田独歩(明治4年~42年)の代表作には「源おぢ」「武蔵野」「牛肉と馬鈴薯」などがある。 
まずは武蔵小金井駅から北へ独歩通りを行く。以前は武蔵境通りだったそうだが、いつの間にか独歩通りになったとか。 
独歩通り 国木田独歩文学碑(桜橋)
独歩が恋人信子と訪れた桜橋には、文学碑があった。「武蔵野」では、この時の散策に触れている。
独歩橋を渡り、独歩の森へ。当時17歳の信子と独歩(24歳)が将来を誓い合った森。だが結婚生活は長くは続かずすぐに破局を迎える。
独歩橋 独歩の森
有島武雄の「或る女」はこの信子をモデルに書かれたものだそうだ。知らなかった。今読み返してみると全く違うかもしれない。
玉川上水
1654年、幕命に寄り玉川兄弟によって開削された。羽村から四谷大木戸まで約43km。飲料水、防火用水、灌漑などに使われた。
吉宗の時代(1737年)小金井堤沿岸に約1000本の桜を植えた。桜の花びらや葉は水を消毒するといわれている。 
明治の頃から花見で賑わい、酒に酔って川に落ちた人も出た。その後鉄柵が作られると、土手の下草刈りが出来ず、雑木が育つようになり、桜も日が当らず、枯れてしまうものもあったようだ。思わぬところで、生態系が変わってしまうものだ。 
玉川上水べりのアズマイチゲ 桜樹接種碑には「さくら折るべからず」と刻まれていた。
小金井公園の前を通り、浴恩館公園へ向かう。 
下村湖人
代表作は、自伝的小説「次郎物語」。教職を経て、「浴恩館」の青年団講習所所長を務めた。
浴恩館で、学芸員の方から説明を受ける。
浴恩館公園 保存されている内部
現在は小金井市の郷土資料館になっているが、一部昔のままの部屋が残されていた。 
次郎物語の第5部は浴恩館がモデルで、「友愛塾」として登場。朝倉先生が下村湖人だそうだ。 
次郎物語は子供の頃、テレビで見た記憶がある。
  串田孫一邸 
文芸誌「アルプ」の編集をした串田孫一は、亡くなるまでの47年間この地で過ごした。山小屋風の趣のある建物だったそうだ。現在は取り壊され、書斎、居間は北海道斜里町の「北のアルプ美術館」に復元保存されている。 
←ご遺族が住んでいる串田孫一邸。
今回もいろいろ教わることが多く、点でしか知らなかったことが、少し線になった。
次回は6月夕やけ小やけの里と中村雨紅を訪ねる。