丹沢縦走(蛭ヶ岳1672m・檜洞丸1551mA
-hirugatake/hinokiboramaru-
 
 5月29日(土)   
 思いがけぬ晴天
 朝4時起床。小屋の窓から雲がどんどん流れ、向かいの山が姿を現し始めた。予報に反して、素晴らしい晴天になった。気温10度。
 初めてのダウンのシュラフは快適で、山小屋のあまりきれいでない布団で寝るよりずっとよく眠れた。
 宮ヶ瀬湖の上から出る日の出を見てから、西側に行くと富士山が裾野まで広がる。
 昨日の真っ白な山頂とはまるで違って、今朝は360度の大展望。南アルプス、奥秩父の山々までよく見える。  日の出(蛭ヶ岳山頂より)
 

朝食はお餅入り雑炊を作る。Junjunが重たい思いをして(今回一番荷物が重かった)持って来てくれた、さとうのご飯とお餅を、きのこスープで煮込む。

 簡単で美味しい雑炊ができた。貴重な水は夕べ、レトルトカレーを温めたお湯を取っておいたものだ。
 それでも今日の飲料水が足りないから小屋で買おう(2リットル1000円)と話していたら、話を聞いていた人が余っているからあげますよ。という。ここまで持ってきた重たい水をただでもらうわけにはいかないので、半額で譲って貰うことにした。
 蛭ヶ岳山頂の朝(後方は富士山)1673m    
 山頂のあまりの展望のよさに写真を撮ったり、初めての自炊で手際が悪く、思ったより手間取り、出発(6時10分)までに2時間もかかってしまった。
 檜洞丸までは3つの山を上り下りする。まずは蛭ヶ岳を一気に300m下る。ものすごく急で、危険なところには真新しいロープや鎖がついていた。  

小屋の管理人さんが「3年前の花を見た人はもうあれ以上のものは見られないでしょう」と言っていた。私たちは幸運にも2001年に、35年ぶりという素晴らしいシロヤシオを檜洞丸で見ている。

 この辺りにもシロヤシオやトウゴクミツバツツジが多いが、もうほとんど散っている。 下りきると今度は臼ヶ岳目指しまた登りが待っていた。
   臼ヶ岳より蛭ヶ岳を望む  
 広くなった山頂からは今降りてきた蛭ヶ岳がもう遠くに見える。こうして見るとどこから登っても楽ではないのがわかる。よく歩いたものだ。  
 そして再び下り、金山谷乗越を登ると、檜洞丸への最後の急登だ。
 蛭ヶ岳小屋を出てから2時間あまり、青い小屋が見えてきた。
 ブナの立ち並ぶ斜面にコバイケイソウが敷き詰められ清々しい景色だ
     金山谷乗越
     青ヶ岳小屋の脇には可愛い公衆トイレがある。(使用料50円)小屋の前のベンチで一休みして、記念にシロヤシオのついたバッジを買った。
 ここからは一登りで檜洞丸に着く。 
 檜洞丸「青ヶ岳山荘」  公衆トイレ  
 山頂からは富士山がよく見えた。コーヒーでも飲みたかったが、水が足りず断念。ラーメンを作っているいい匂いがしてくると、私たちも持ってくればよかったと思った。  
 山頂から西丹沢へのコースは、ツツジコースというくらい花が多いのだが。。。こちらも今年は遅かった。
 3年前はここにも、あそこにも葉が見えないくらいモコモコ咲いていた。その時の光景が目に焼きついている、見覚えのある木があった。
 展望と最後のお花を楽しんで、西丹沢へと下る。  檜洞丸山頂(1600m)
今日は土曜日で例年ならシロヤシオが一番いいときなので、どんどん人が登ってくる。狭いところが多く、そのたびに道を譲り合わなければいけない。  今まで私たちが驚くことはあっても、驚かれたのは初めての経験。 
大きなザックを背負っている私たちに、「どこからきたのですか?早いですね」とか、「すごい荷物ですね」「あのアップダウンのすごいところを来たなんて、健脚ですね」などと言われた。  ものすごい荷物を担いで登ってくるボッカの人たちに出会った。ジュースや、ビールの箱を何段も積んだ人、ガスボンベをしょっている人、皆汗びっしょりで登ってきた。こうして運ぶのだから、値段が高いのは当然だ。 
   山頂付近木道
 このツツジコースは1050mを一気に下るため、急できついところが多い。
 

クラが「3年前にここをよく往復できたわね」と感心していた。今思うとよくやったなと思うが、あの時は夢のようなシロヤシオにつられて登ってしまったのだった。

 地図にはゴーラ沢の出合まで1時間25分とあるが、よほど健脚の人でないと無理だと思う。人が多かったせいもあるが、長い休憩はとらなかったが2時間半かかってしまった。
 沢に着いた時は12時15分。
 最後のシロヤシオ    
 西丹沢を13時発のバスに乗る予定の私たちは、どうするかを5分の休憩で決めた(本当は沢でゆっくり休みたかったが)。次のバスは14時40分とだいぶ間がある。ここからバス停までは35分かかる。B型3人の決断は早い。
 「ギリギリ?でもやるだけやってみよう!」そう決めたらほとんどの場合が実行してしまうので、決めた時にはもう皆ザックを背負っていた。
 ここからは今までのように急坂はないので、わき目も降らず歩いた。間に合った!新松田の駅までは1時間10分かかる。ゆっくり座れたので、温泉もパスした。新松田の駅前でラーメンを食べ、アイスコーヒーでのどを潤した。早いバスに間に合ったので、混まないうちに帰宅できた。
 シュラフやマットを持って、重いザックを持って行くのは不安だったが、やってみるとできるものだ。これからも、持てたら自分のシュラフのほうが安眠できるし、あまり美味しくない食事を頼むのなら、自分たちで作った方が楽しい。山の楽しみ方がまた広がった。