熊野古道2 (小辺路)
-kumanokodo(kohechi)-
 2010/05/13-16
5月14日(金)
昨夜から冬のような寒さで、ストーブがついていた。朝食後、宿で作ってもらったお弁当を持って大股を後にする。
今日は歩行距離は15.9kmだが、今回一番標高の高い伯母子(おばこ)岳を超える予定。
伯母子岳登山口は、小高いところにある集落のお墓を過ぎ、いきなり急坂を上って行く。
伯母子峠登山口 大股集落を後に
萱小屋跡 桧峠 伯母子岳
早朝からものすごい急登続きで、息が上がる。1時間近く登ると、やっと萱小屋集落跡シャクナゲ咲く広場に着き一休み。新しい作業小屋が建っていた。 
 そこから更に急坂が桧峠まで続いた。少し緩やかになると展望も良くなり、樹間からこれから行く伯母子岳山頂も望める。今日は風も強く寒い。
伯母子岳
 伯母子岳分岐で、左に進めば山頂を巻いて直接伯母子峠に、右は護摩壇山へ。直進は伯母子岳だ。そんなに時間もかからないので、やはり山頂を踏んで行くことにした。
 やはりこの辺りは、気温が低いからかまだミツバツツジ満開。
 分岐から20分ほど登ると山頂だ。
ミツバツツジ 伯母子岳分岐
山頂は360度大展望!深い山が、幾重にも重なる。鉄塔や里など人工物は何一つ見えない。
 朝はどんよりしていたのに、よい天気になり青空が広がる。
果無山脈、大峰山脈、護摩壇山、奥高野山・・・だそうだが、どれがどこの山かはわかりません。
伯母子岳(1344m)山頂 歩いてきた山々の稜線(この山々の背骨をあるいてきたのです)
 本当はここでゆっくりティータイムにしたかったのだが、飛ばされそうな強風で 、それどころではなかった。
 伯母子岳山頂は、6月の初め頃にはヤマツツジでオレンジ色になるそうだが、まだ蕾すらありません。
伯母子峠は広々したところで、素泊まりの山小屋とトイレもあった。 この小屋に泊まり、縦走する健脚者もいるようだ。  
 風が寒いので、温かいココアを作って小屋の中でティータイム。 
 ヒグマに注意の立札があり、あわててクマ除けベルをつける。
 伯母子峠   倒木のある道
     
  新緑と山々 崩れそうな崖の道   ミツバツツジ咲く
上中央の写真のは、天候によっては通れないときもあるようです。そういうときのために、山の上を行く迂回路もできていた。 
上西家跡
上西家は、江戸の初期には街道上の旅籠として存在していたそうで、昭和9年まで人が住んでいたそうだ。
牛を飼い、家の周りには広い畑もあり、ジャガイモや南瓜は北海道よりもうまいと評判だったと立札に書いてあった。
上西家跡 津田旅館評判のお弁当 往時を偲んでお弁当を広げる。
尾根の急坂を上る 杉・檜林の登り 紛らわしいところには道間違いの立札
山姥伝説
水ヶ元には、弘法の封じ水という水場があり、いろいろな効能あったそうだ。そしてここには、眼が大きく光り、異様な形相の山姥が住んでいたとか・・・
昨日から登山者には一度も会わず、ずっと私たち二人だけ。風で木がこすれる音にもビクビク、なんだかちょっと怖くなってきた。
水ヶ元茶屋跡 石畳が続く
石畳
この先待平屋敷跡までの約2.5kmは、ずっと石畳が続く。
幸い晴れていたので問題はなかったが、雨の日は滑りやすく歩きにくい道だそうだ。ここで足をくじき、断念した人もいたとか。
待平屋敷跡 緩やかに下る
    道標地蔵からは、つづら折りの急坂を下って行くと、麓にやっと屋根が見えてきた。  
 今日も無事に、歩き通せました。
携帯はずっと圏外
 熊野古道は携帯電話は、どこもずっと圏外で全く使えなかった。
道標地蔵     三田谷登山口到着
     三田谷に 着いたら公衆電話で民宿に電話し、迎えに来ていただく手はずになっている。  
 一番近い五百瀬(いもせ)集落には、民宿が1件しかない。そこには泊れず、農家の民宿を紹介された。
 農家に泊まる。楽しそうだけど、トイレは和式?まさか・・・ン、なんてことは・・・ ちょっと不安
三田谷橋を越える  三田谷の公衆トイレ、公衆電話有    
農家民宿  
 民宿は車で15分ほど走ったところだった。私達と同年代のご夫婦と、おばあちゃんの3人家族。家は昔風だが広く、敷地には、おばあちゃんの離れ、物置、ガレージなど建っていた。
 家に入ると、コーヒーのいい香り。ずっとコーヒーに飢えていたし、湧水をつかっているのでとっても美味しい。
時間があったので、ご主人が車で村の温泉に案内してくれることになった。30分もかかるそうだが、この辺りは買い物も一番近いスーパーまで1時間半もかかるので、なんでもないそうです。
 村には谷瀬の吊り橋という高さ54m、長さ297mもある吊り橋がある。少し寄り道をして、そこも案内してもった。(高所恐怖症のクマさんは、もちろん渡りません) 谷瀬の吊り橋
 
  楽しい食卓 
    夕食は、地元の食材をたっぷり使った奥さんの手料理(いのししのすき焼き風、アユの塩焼き、ワサビの茎のお浸し、手作り刺身こんにゃく、、山菜てんぷら、煮物、蒸し物・・・おばあちゃんも一緒に皆でテーブルを囲みました。美味しかった。あ~満腹。
 寒いからとスエットやはんてんまでお借りし、親戚の家にでも来たようにくつろいでしまった。
 心配していたトイレもウォッシュレットでした。
  クマさんもご主人も酒好き。食事の時のビールだけではおさまらず、ゆうべしをつまみに、地酒、焼酎と飲み続けていた。(明日、大丈夫かな~)
 「農家民宿 山本」の夕食  ゆうべし・・・ゆずをくり抜き、味噌などで味付けをし、蒸した保存食。お菓子のゆべしとは全く違うもの。昔から十津川村各家庭で作られている。
 十津川村は西村京太郎氏が十津川警部を登場させたことでも知られている。淡路島と同じくらいの広さで、住民はたった5000人、ほとんどが森林だそうだ。