熊野古道U
2月12日(土) 
 【松本峠・鬼ヶ城】   
今日は良い天気になったので、急遽予定を変更し明日行く予定だった松本峠・鬼ヶ城に先に行くことにした。クマさんは「もうお好きなように」とあきれている。  
1時間ほどで鬼ヶ城センターのパーキングへ到着。ここより鬼ヶ城跡、展望台を経て松本峠に向かう。
 桜並木が続く急な階段を登りきると鬼ヶ城跡の展望台に出た。
 熊野灘に面して20数キロも続く七里御浜が美しい海岸線を誇る。  松本峠(画像クリックで拡大)
 今日はまた海の蒼と空の青さが調和して素晴らしい景観だ。『日本の渚百選』に選ばれているそうだ。    
 反対側の大泊の海も静かで蒼さが際立つ。この展望台は松本峠からも15分ほどで来られる。
おすすめスポットです。   七里御浜  大泊の海
松本峠は大泊側から登ると石畳の状態もよく頂上まで続いているそうだが、私たちは鬼ヶ城展望台から直接峠へと向かった。峠の頂上は杉林と孟宗竹の竹林の中にお地蔵様が並んでいた。この地蔵の中には鉄砲で撃たれた跡が残っているものもあった。 
     熊野市方面へ下る。石畳はよく見ると、昔からのものは少なく、新しく補修されているものが多かった。この辺りは観光客も多いせいかもしれない。
 下りきると遊歩道鬼ヶ城西口がある。ちょっとわかりにくく地元の人に聞いた。
 鬼ヶ城遊歩道  
 鬼ヶ城は数回にわたる土地の隆起と、熊野灘の荒波による侵食で作られた奇岩の数々を楽しみながら歩くことが出来る。切り立った岩の上を歩くので、スリルがあるところも多く楽しい。約1時間で鬼ヶ城センターへ戻れる。
  【通り峠】  
 熊野古道を歩く上で、同じようなところばかりでは面白くないので、何か特徴のあるところを歩いてみようと計画した。  
 通り峠は風伝峠の麓で吉野方面へ北上する北山道で、約1キロの石畳が残る。峠から展望台に登ると丸山千枚田が見渡せる。
 まずは通り峠の登り口(千枚田と反対側)に車を停め峠を目指す。最近出来たらしいきれいなトイレもあった。 どこの峠の入口にも木で作った杖が置かれ利用できるようになっていた。私たちもお借りすることにした。
     石畳を登る
   通り峠の石畳は、伊勢路コースの中でも道幅が狭く、敷いてある石も小ぶりのものが多くかった。急な杉林を登ると30分ほどで、通り峠に着く。東屋とここにも地蔵がある。
 展望台への標識があるので、行ってみることにした。展望台と書いてあるので、ほんの少し登るのかと思ったら、きつい階段を15分も登る。でもそこは思った以上のスケールで、棚田が広がっていた。
 これは大変でも十分登ってきた甲斐があった。
 通り峠
  展望台は乗り出すように作られていて、近くで見るのとは全く違う景観だった。  
400年以上前に作られたと言われる千枚田は、貴重な稲作文化の原点だそうだ。 
 だが、機械による農作業は限界があり、休耕地や荒廃地が見られる。紀和町の人々がこの貴重な資源を後世に残そうと保護に取り組んでいる。
     丸山千枚田(画像クリックで拡大)
   【熊野本宮大社】  
  世界遺産に指定された熊野本宮大社今回是非訪れてみたかった場所だった。今日は予定がいっぱいだったが、なんとか時間をつくり行くことができた。曲がりくねった道でいくつもの峠を越え、川を渡りやっと着いた。 

昔は熊野川の中洲にあったという本宮大社は明治時代の大洪水で今の場所に移されたそうだ。檜皮葺きの美しい4つの社殿が並ぶ。けっしてきらびやかではなく、品格のある立派な造りだった。

 お参りをしたあとは、一の鳥居近くにある、珍重庵で名物もうで餅と抹茶を頂き一休みした。
 熊野本宮大社  今夜の宿は瀞峡の近くにある、入鹿温泉『瀞流荘』にした。