ミルフォードトラック4
-milford track-
2011/11/27-12/07
ミルフォードトラック55キロの最終日。クインティンロッジ(250m)からサンドフライポイント(0m)までの21キロを歩く。一番距離は長いが、ほぼ平坦な道で、6~8時間の歩程。
アーサー川に沿い、アーサー谷を越えていく。途中には数々の滝があり、アダ湖に沿って歩く。ゴールのサンドフライポイントからミルフォードサウンドへ船で渡る。
6日目(12/3)
今朝も朝食後、お弁当のサンドイッチを作る。
今日は曇りのち小雨の予報。最初からスパッツをつけ、ザックカバーもつけた。遅くなり7時45分出発。
身支度 クインティンロッジを出発 沢を渡る
若い時は私が忘れ物をしたり、支度が遅かったりでいつも夫を待たせていた。私の主婦歴が長くなったせいか、いつの間にか逆転し、最近は夫が遅い。  
長い行程なので、私は余裕を持って出たかったが、もうほとんどの人達が出発した後だった。 
出発後まもなく、木々の間からは、三段に流れ落ちるサザーランド滝の上2段を垣間見ることが出来る。  
しばらくは原生林の中を行くと、急に視界が開ける。レースコースと呼ばれる広場だ。 
エバーラスティングデージーなどの小花も見られる。 
レースコース(広場) アーサー川とデンジャーマウンテン
再び森の中を抜けると、アーサー川の向こうにはデンジャーマウンテンの美しい山波。息をのむような景色が広がる。
出発してから2マイル。昔アダ湖から必需品を持ち込む目的で建てられたというボートシェッドに着く。 
モーニングティー
今はモーニングティーのサービス場所となっている。
今日のランチは休憩所がないため、ここで軽いティータイム。サンドイッチを半分食べる。
ボートシェッド アーサー川沿いに
5人まで渡れる吊橋(アーサー川渡る)  26マイルを過ぎる
ベルロックとマッカイ滝
長い吊橋でアーサー川を渡り、マッカイ滝に向かう。NZで一番降雨量の多い地域だそうだ。
三段に流れ落ちるマッカイ滝は見ごたえがある。その近くにベルロックと呼ばれる大きな岩があり、中は人が立てるくらいの穴があいている。
マッカイ滝 ポセイドン橋を渡る
    ポセイドン橋を渡り、再び鬱蒼とした原生林の中を行くと、アダ湖が見えてきた。アダ湖沿いを歩く。 
100年前までは、船でしかアクセスできなかったという、険しい山肌を削って造られたトラックを登っていく。
 アダ湖とアーサー渓谷  苔に覆われた崖の道  
 今日のコースでは一番アップダウンも多く、歩きにくい。
  30マイル地点にはジャイアントゲートの標識がある。ランチポイントだ。  
トイレとランチシェルターがあるが、天気なら滝の近くがおすすめと聞いていたので、そちらに行くことにした。 
 ジャイアントシダの原生林    ジャイアントゲート
今朝から曇り空で、時折雨がポツポツ落ちてきた所もあったが、少し薄日も射してきた。 
アクシデント
途中から夫の持病の腰が痛みだした。重い荷物を背負って、今日で4日目。痛みをかばうためか、体が曲がり、ひどく歩きずらそうだ。
ジャイアントゲート滝の河原でランチをし、持っていた湿布を貼り、応急処置をした。
ジャイアントゲート滝(河原でランチ) サンドフライポイント
少し休んだら、いくらか楽になったようだった。残り約7~8キロ。何とか頑張れるといいが。 
3時4時に出る。どちらでも好きな時間に乗船すればよいことになっていた。 
朝の調子では、私達は3時の船に乗れそうだった。その後、後から来る人にもどんどん抜かれて行った。こうなったらゆっくり4時の船に乗ればいいと思っていたが、この調子では4時にも間に合うかどうか。
荷物を少し分けて、私が背負うと言ったが、男のプライドが許さないようで却下された。
サンドフライポイントゴール!
3時45分ゴール。何とか無事ゴールできほっとした。
着く少し手前で雨が降りだした。 
ゴールでは、ガイドさんが暖かい飲み物と、クッキーを用意して待っていてくれた。
サンドフライポイントゴール! 後の船でミルフォードサウンドへ
「Kさん遅かったですね。もっと早く着くと思っていました」と言われた。(私もそう思っていました) 
サンドフライポイントと聞いた時、サンドフライに集中攻撃される恐ろしい所かと思った。確かにたくさんいたが、小屋もあるので大丈夫だった。 
ミルフォードサウンドのロッジに着き、熱いシャワーを浴びたら、疲れも取れすっきりした。
ラウンジでお茶したり、バーで飲んだりしてくつろぐ完歩後の至福の一時。  
メンバーの一人が釣った魚 授賞式(イメルダ、みどり、夫、ダン、ハンター)
余裕のあるUSAの若者が、途中の川で釣りをしたそうで、大きなマスの一種をロッジのキッチンで丸焼きにしてもらった。夕食の時、皆で少しずつ頂いた。白身魚であっさりして、とても美味しかった。 
   完歩賞授賞式  
私達は、初めから自分の下の名前を、各自胸につけていた。4日目ともなると、知った名前も増えてきて和気あいあいとしてきた。
食後、完歩賞の授賞式が行われた。ガイド4人が、名前を呼び、一緒に写真を撮ったり、ハグしたりしながら受け取る。初日にメンバー50人+ガイドと一緒に撮った写真がついていた。
後で知ったが、メンバーの一人が足が痛み、ガイドさん二人に助けられながら、4時の船の出た後の船で到着したそうだ。ザックの中身を持ってくれて、楽しい話をしたり、歌ったりして励ましてくれて、本当にうれしかったと話していた。
私達も最後は冷っとすることもあったが、4日間素晴らしいトレッキングが出来た。ガイドさん達の細かな気配りとサービスはさすが、トレッキングの本場だなと思った。