ミルフォードサウンド
-milford sound-
2011/11/27-12/07
ロッジからミルフォードサウンドの桟橋へ歩いて行った。バスも出るが、あまりの天気のよさと、美しい景色に歩いてみたくなった。昨夜の雨が嘘のように上がった。
ミルフォードサウンドの「サウンド」とは、氷河によって浸食された狭く勾配の険しい谷に、氷河の後退によって海水が入り込んできた入り江という意味だそうだ。
7日目(12/4)
氷河に削られたダイナミックなフィヨルドの入り江を2時間クルージング。
甲板に出て風に吹かれながら、周りの景色を楽しんだ。雪山とその間に広がる深い渓谷に目を奪われる。 
ミルフォードサウンド ツアーの仲間
    昨日まで歩いてきた周辺の山々は、あまりのスケールの大きさに驚く。
垂直に切り立った崖、岩肌からはいくつもの滝が流れ落ちる。 
船は滝のそばまで行くので、甲板に出たい人は、雨具を用意して行った方がいいと言われた。特にスターリング滝では、しぶきを被った。
 船上より スターリング滝(155m)  
 イルカ・オットセイ・ペンギン    
間もなく歓声が上がる方を見ると、バンドウイルカの群れが船と競争するように泳いでいる。 
ジャンプしたり、一回転したり楽しいパフォーマンスを見せてくれた。
   船と一緒に泳ぐバンドウイルカ   日向ぼっこのオットセイ達
 岩の上には、日向ぼっこうをするオットセイのユーモラスな姿も見られた 
NZとオーストラリアでしか見られない、小さなブルーペンギンの姿も見られたらしいが、私はトイレに行っていて見過ごしてしまった。初夏に子育てのために戻ってくるそうだ。
ずっと甲板に出ていたら寒くなった。暖かい船の中で、コーヒーを頂きながら美しい景色を眺める。
ミルフォードサウンドは、外海から発見するのはほとんど不可能で、多くの船が長い間発見できなかったそうだ。
その後(1973年)、アザラシの捕獲をするヨーロッパ人により発見されたという。
ミルフォードサウンド外海との北の入り口 美しい入り江
ミルフォード地区は世界で一番降水量の多い地域だそうだ。年間降水量が6000ミリ以上だという。 
大量の雨水が川や滝となり、フィヨルドに入り込んだ海水へ流れ込む。海水よりも比重の軽い雨水は、水面に層を作り、「レンズ」の役目をする。そのため、海よりもずっと浅い所に珍しい海洋生物が生息したり、水の色も変化するらしい。
今日はクルージングの後、マウントクックまで長時間バスで移動になる。 
フィヨルドランド国立公園
車窓から見るフィヨルドランド国立公園の美しい景観に、シャッターを切り続けた。
切り立った岩山からはいく筋もの滝、残雪の山々。雪崩が多く、冬場は積雪3~4mにもなり道はクローズされるそうだ。
車窓から 車窓から
ヘアピンカーブを上るバスからは、ため息の出るような景色が続く。
1.2キロもあるフォーマートンネルを抜ける。 
ルートバーンの山々が連なり、トラックの出発点のディバイド峠がある。
車窓から  トイレ休憩した所(一面のバターカップ)
テ・アナウでお別れ  
ミルフォードトラックの出発点だったテ・アナウへ再び戻って来た。 
次に出発する人達が集まっていた。
ここで、ルートバーントラックへ行く人達やお世話になったガイドさんともお別れ。その他の人達は、再びバスに乗車。  
牧場と牧草地(車窓) お別れ
    NZ南島は鉄道はない。ゴールドラッシュの頃は走っていたらしいが、今はその線路を利用し観光用汽車が走っていた。 
あとは、貨物列車がたまに走るだけだそうで、踏切の一時停止はない。 
 レッドタソックの丘(車窓) 真っ盛りのブルーム(車窓) 
帰国後、友人にその話をしたら、30数年前新婚旅行で訪れた際、確かに電車に乗ったそうだ。その頃までは走っていたようだ。   
どこまでも美しいブルーのワカティプ湖を眺めながら、クィーンズタウンへ向かった。     
私たちは、クィーンズタウン空港で下車し、バスを乗り換える。ここまで4時間。この先マウントクックまで更に4時間かかる長いバスの旅。
    観光用汽車(車窓)  ワカティプ湖
ツアーガイドもしている日本語ペラペラの運転手さんは、一橋大学院卒だった。奥さんは日本人で「”ナンパ”したんです」と笑っていた。   
クィーンズタウンからマウントクックへ
牧場には点々との群れ、羊は白っぽいものと、グレーっぽい羊がいる。汚れているように見える方がメリノ種で、高級ウールになる。
 だが今は、化学繊維に押され、羊から牛に変える酪農家も多いそうだ。
南島では畑は見られない。日本で言えば北海道の稚内辺り。寒いので野菜は育たない。ここは、世界で2番目に南極に近いと聞けば納得。農作物は北島か外国から輸入だそうだ。
世界最南端のブドウ畑と羊の群れ
比較的暖かいというクロベルでトイレ休憩。ここでは果物や野菜も栽培されている。世界最南端のブドウ畑も見られた。 
ブドウ、イチゴ、サクランボも売っていた。サクランボを買ったが安くて美味しい。
一日よい天気だったが、テカポ湖(氷河湖)が見える辺りから雲が多くなってきた。2000~3000m級の真っ白な山々に向かって進む。
はたしてマウントクックは姿を見せてくれるか?
テカポ湖 マウントクック  
1990年に世界遺産に指定されたマウントクック国立公園は、森に溶け込むように人口250人の小さな町があった。まだ陽が出て明るいが、ホテルに着いたのは夜8時になっていた。 
こんなに遠いのになぜ飛行機が飛ばないのかと思ったら、以前は空港があったそうだが、気象条件が悪く、飛行できないことが多いため廃止されたそうだ。 
80年前に建てられたというハーミテージホテルに泊まる。部屋はマウントクックビューだったが、残念ながら見えない。ベランダに出て待っていると、願いが通じたかのように、一時スーッと雲が晴れ、荘厳な頂きを現してくれ。急いでカメラに収める。結局この時一回限りだったので、見られなかった人もいたようだ。