西岳2398m
-nishidake- 
 
年月日 2003/06/14(土)〜15(日)  
メンバー 八王子登山学校8期生19名、スタッフ6名・・・25名(男性15名、女性10名)
行 程 八王子7:00−小淵沢ICー登山口ゲート9:40ー長命水10:00−西岳山頂12:30〜13:00
ー長命水15:00〜10−登山口15:30
宿 泊 民宿”森の家”(小淵沢)
温 泉 1日目・・・鹿の湯(500円)、2日目・・・天女の湯(750円)・・・清里
 
西岳山頂から見た八ヶ岳連峰 
 八王子登山学校8期生第2回交流登山。西岳は八ヶ岳の中では特に静かで、目立たない山だ。
   梅雨に入り雨が心配されたが、晴れ間も見えまずまずの天気になったので、予定を変更して今日西岳に登り、明日が飯盛山になった。
 今回も校長自らマイクロバスを運転し(校長の運転には定評があるそうだ)、中央高速を小淵沢に向かう。
 高速道路からは南アルプス八ヶ岳が良く見える。鳳凰三山のオベリスクまで望むことが出来た。
 満開のレンゲツツジ  富士見高原の別荘地を抜け、ゲートがある登山口駐車場(7〜8台)にバスを止める。
 2班に分かれて、しばらくは林道を行く。この辺りレンゲツツジが多く、林の中に緑のシダと、オレンジ色のレンゲツツジのコントラストがとてもきれいだ。この間、湯ノ丸山で見損なったが、今日は思いがけずたくさん見ることが出来た。
登山道から少し入ったところに広い水場があり”長命水”と書いてあった。     私たちのいつものペースは、写真を撮ったり、お花を愛でたり、周りの景色を楽しみながらゆっくり歩く。
 一休みして、傾斜が増してきた道を進む。今はほとんど見られなくなったというギンランが咲いていた。
 イカリソウツマトリソウも多いが、今回のペースはとても速く、写真を撮る暇もない。
   ギンラン  
 以前ガイドさんからペース配分を考え、特に歩き始めはゆっくり過ぎるくらいのスローペースで歩くように言われ、それを頭に入れて歩いていた。  
 『このゆっくりペースを守っていれば、疲労物質の乳酸の蓄積を抑え、健康にもよく、長時間ばてずに歩くことが出来る。』と。。。
 それが今日のペースでは苦しくて、最後まで続きそうもない。
 半分くらい来た所で、後続のスタッフにそのことを告げた。  長命水
 先頭を行く校長からここで全員脈拍数をとるように指示があり、測ったら私は異状に上がっていた。ここからは、校長のすぐ後ろにつき、私の様子を見ながら進んでくれたので、何とかついていかれるようになったし、このペースならまだ登りが続いても、大丈夫と思えるようになった。
   校長が言うには、「登山はスポーツだ。次につなげる意味でもトレーニングをしなければいけない。いつも1時間半かかるところは、次は1時間を目標にして、レベルアップしていかなければいけない。」などと教えられた。
 体力がつけば、安全で楽しく歩ける余裕が出てくるということなのかもしれないが、楽しくない。
 休憩は長く取らないので、お腹が空かなくても少しずつ食べるように言われた。
 ”最後の休憩”きつい登りが待っている  このコースはほとんどが急登で、延々3時間続く。
 2/3くらい来たときやっと樹林帯を抜け出し展望の良いところに出た。小淵沢の町並みや、南アルプスが素晴らしい眺めだ。
 お隣には編笠山の丸い大きな姿が見える。最後の30分は岩稜帯の今までにもまして急登となった。
 やっと登頂。今まで隠れていた八ヶ岳が全部顔を出した。素晴らしい眺めだ。  一昨年あの赤岳から横岳を歩いたと思うと、よくやったなと思う。
 右から編笠山、権現岳、最高峰の赤岳(2890m)、阿弥陀岳、横岳、硫黄岳と連なる八ヶ岳の山々がパノラミックに見渡せる。 編笠山と権現岳の間に青年小屋が豆粒のように見える。展望を楽しみ、30分のランチタイム。長い休憩はせっかく暖まった体を冷やすので、禁物だそうだ。
   西岳山頂2398m(右後方は権現岳)  

下山準備をしていたら、ポツポツと雨が落ちて来た。途中でだいぶ降ってきたので、雨具をつけた。

 
 メンバーの中に花博士のような男性がいて、たいていの花は知っていた。前を行く人が立ち止まり、これは何かと尋ねたら”ミヤマハンショウヅルですよ”と即座に答えた。見たこともない紫の花が、ツツジに絡まっていた。
 雨は降り止まず、レンゲツツジは更に鮮やかさを増していた。
     ミヤマハンショウヅル
 登山口到着15時半。6時間に及ぶ行程だった。鹿の湯で汗を流し、民宿「森の家」に到着。和風のしゃれた作りで、山菜中心の野菜ずくしの手料理がとても美味しい宿だった。
 翌日は午前中飯盛山ハイキングを楽しみ、清里の清泉寮でソフトクリームを食べたり、天女の湯に浸かり帰路に着いた。

今回の山行で、私の登山に対する考え方が、少し甘かったと感じた。確かにツアー登山などで、計画を人任せにしたり、観光気分で参加したこともあり、反省する点も多い。山は常に危険が伴う。楽しい山行にするためにもトレーニングをつみ、コースや準備の下調べを完璧にしなければいけないと改めて思った。

 ただ、校長の考えがすべて正しいとは思わない。学ぶべき点や、ブラスになることもたくさんあると思うが、私は、山はもっと楽しく歩きたい。
 直後は少しへこんでいた私だが、友人や先輩の意見を聞き、今では前向きに考えられるようになった。
 Kimikimiさんに、登山は勝ち負けではなく、心で楽しむものだ。山は2時間のコースをふうふう言いながら歩くより、2.5時間かかっても行動をともにした全員に、心に余裕があったほうがいい。感動、感激を共有できる仲間がいることが大事だと言われ、とてもうれしかった。これからも私は素敵な仲間と、挑戦ではなく、てくてく山歩のスタイルで山を楽しんでいこうと思っている。