角田山(482m)・弥彦山(638m)A
-kakudayama&yahikoyama-
弥彦山ユキワリソウ(オオミスミソウ)
 4月6日(日)晴れ時々曇り  『弥彦山』   

朝まで降っていた雨も上がり、日がさしてきた。

 今日は山登りの前に、車窓から新潟市内を見物させてもらった。
 最初に渡った阿賀野川はとても迫力があった。川幅は広く、水量は多く堂々と流れ野性的な感じさえした。巨大フェリーが停まる新潟港にも立ち寄り、目的地弥彦山へと向かった。
 それにしても新潟の町は道路が整備され、空いているのに車線も多いのには驚いた。渋滞などほとんどないらしい。やはり総理大臣出身の地元は違うのだと改めて思う。
 今日はKimikimi夫妻に加え、友人の斎藤さんご夫妻も同行してくれることになった。  

4人は同じ山仲間で、先週も私たちのために、弥彦山へ実踏に行ってくれたそうだ。毎年、北国の長い冬が終わると、まずは弥彦山から登山が始まるということだ。

 弥彦山は一般的には弥彦神社からロープウェイもあり、それに平行して登山道がある。そして、弥彦スカイラインは山頂直下まで延びている。でも私たちは、リーダーお奨めの海側からの田ノ浦コースを登った。
 昨日登った角田山から南の国上山へとなだらかな稜線を描く弥彦山系がよく見える。  ユキワリソウ
   海岸の駐車場に10時過ぎに到着し、しばらくは沢沿いの林道を歩く。麓では桜も開き始めていた。
 今日は花に詳しいミセス斎藤が一緒なので、心強い。知らない花もたくさん教えてもらった。
 ニリンソウ  まもなく、キクザキイチゲの群落があった。中には珍しい青紫の花も見られた。
沢沿いにはニリンソウがたくさん咲いている。ニリンソウは一つの茎に必ず2個の花をつけるが、開花時期はずれて咲くそうで、そういえばほとんどが一つはつぼみだった。    早くもカタクリの群落が現れた。
 昨日と違い、今日は花びらをくるっとそり返し、紫色がひときわ華やかだ。
 見あげるとキブシの黄色い房がゆれていた。  やはりカタクリは、日の光が当たらないと開いてはくれない。
  キクザキイチゲ  
 急斜面になってきたら待望の雪割草だ。  
 先週来た時は登り口から中腹くらいまでがちょうどよく、中腹から上はまだ雪が解けたばかりで、つぼみが多かったそうだ。でも、今週は気温が低かったそうで、長持ちしているという。今日はちょうど見頃ではないかと期待が持てる。
     キクザキイチゲ
   沈丁花にそっくりの黄色い花は、こちらではナツボウズというのだそうだ。
 コシノコバイモという小さなゆりのような花も、上越方面特有の花だそうだ。地味な色で、下を向いて咲いているので、ミセス斎藤がいなければ見落としていたに違いない。
 オウレンも北海道や日本海側に見られるそうで、小さな雪の結晶のような花だ。これらはみな初めて出合った花だ。
 「あの滝の上に出るんだよ」と言われ、冗談かと思ったら、ちょっとスリリングな鎖場があり、本当に滝の上に出た。
 田ノ浦コース滝  この辺りからは斜面いっぱい雪割草の大群落だった。
     
 ナツボウズ コシノコバイモ   オウレン
     
 エンレイソウ  ショウジョウバカマ  カタクリ
 角田山とは違い、白をはじめ、紫、青紫、ピンクなど色とりどりに咲いている。その中に、ショウジョウバカマも多かった。葉の中心につぼみが出て、花を開きながら伸びていくのだと言う。
 稜線に出ると、風が強く冷たい。大きな松の元で一休みしたら、目の前にマンサクがたくさん咲いていた。
 この辺りはまだもだいぶ残っている。4月1日に開通したばかりだと言う、弥彦スカイラインを横切り、一登りで9合目に到着。寒いのでロープウェイ山頂駅にあるレストランで温かいラーメンを食べることにした。有名な弥彦桜の古木もあった。
ここからは一方が日本海、もう一方は広々とした新潟平野が見渡せる。他に高い山はないので、見晴らしは抜群だったが、今日も佐渡はほとんど姿を見せない。     下山はリーダーが数年前に見つけた秘密のルートを下る。 
 トンネルを抜け、寺泊との町境を林の中に入っていく。
ここはあまり知られていないらしく、雑木林の中は風も当たらず、陽だまりは雪割草の花園だった。
   弥彦山(638m)  
 急斜面を下っても下っても雪割草が続き、数年前より花が多いそうだ。夢の世界を歩いているようだった。様々な色が咲き乱れているが、私はやっぱり白い花が好き。  
 この道は昔は街道だったらしく、道祖神も祭られていた。麓近くになると、またもやカタクリの大群落があった。初めから終わりまでずっと花づくしで、ミスター斎藤はその様子をずっとビデオに納め、いい声で解説してくださった。
 下山後に入った田ノ浦温泉は、日本海の夕日を見ながらの露天風呂が快適だった。
もう少しで温泉でサンセットが見られるところだった。「次はここに泊まりましょうよ」とKimikoさん。   秘密の花園を下る
 今回初めて出合った方たちなのに、もうずっと昔からの知り合いのように、和やかで楽しい山行だった。そして、春一番にふさわしい花いっぱいの素敵な山に案内していただき、思い出に残る夢のような2日間だった。
  photo by kura