白山2702m
-hakusan-
 2002/08/18〜20
   古くから信仰の山として栄えた白山
 『ハクサン』の名がつく植物が多いことでも知られているように、高山植物の宝庫である
 その名の通り、1年の半分以上が雪を頂く『白い山』は、どこから見ても気高く美しい
 
 室堂(白山御前峰より) 
メンバー リーダー:ユウコ、タミコ姉、田中ファミリー(チャーリー、マコ、タックン、ミサ、シュン)、クマさん、ユッキ-
行動時間 1日目 8時間20分(6時間+2時間20分)
2日目 5時間30分(1時間30分+4時間)
行  程 1日目 一ノ瀬5:00〜5:35−別当出会6:00〜10・・・中飯場7:10〜25・・・別当覗8:10〜25・・・甚ノ助避難小屋9:15〜45・・・黒ボコ岩11:20〜25・・・室堂12:00(ランチなど)〜14:00・・・御前峰山頂14:35〜15:00・・・お池めぐり・・・室堂16:20
2日目 起床4:15〜30・・・御前峰山頂5:00〜30・・・室堂6:00〜8:00・・・南竜山荘分岐9:10〜20・・・甚ノ助避難小屋9:45〜10:05・・・別当覗10:30〜35・・・中飯場11:10〜25・・・別当出会12:00〜13:20一ノ瀬14:00
宿 泊 17日民宿「山和荘」、18日「白山室堂」、19日白峰温泉「ホテル八鵬」
 8月18日(日)晴れ時々曇り    1年に一度の親戚夏山山行で、去年第1回目は常念岳に登った。常念岳から白山を望むことが出来、”白山が呼んでいる〜”と2回目の山行に決まった。
 白山は花の山としても有名で、ハクサン○○と名が付く花が18種類もあるという。白山以西にはこれ以上高い山はなく、ハイマツクロユリハクサンコザクラなどの高山植物の分布も白山が西限だそうだ。
   白山登山口  
 市ノ瀬PKに朝5時に集合。夜行で来る人もいたが、私達は遠いので、白峰温泉の民宿で前泊した。
 今日まで車両規制があり、市ノ瀬でバスに乗り換える。バスは1便が5時からで、乗客がそろえば次々と出発する。私達は5時35分のバスに乗った。別当出会に着く頃には空はすっかり明るくなり、台風の影響が心配されたが天気はよさそうだ。バスが発着する別当出合はトイレ、水場、休憩所も整っている。規制がない時期は一般車の駐車場もある。
   登山口は観光新道砂防新道に分かれる。私達は記念撮影を済ませ、一般的な砂防新道を登ることにした。右の階段を下りると、吊橋があり沢を渡る。
 1時間ほど登ると、水洗トイレも水場もある中飯場に到着。白山はどこに行っても水が豊富で、飲料水には不自由しなかった。右手奥の崩れかけている谷は、砂防ダムの工事をしている。
 観光新道稜線    
 中飯場を過ぎると亜高山帯の植生になり、大シラビソや白いナデシコに似たセンジュガンピハクサントリカブトハクサンシャジンダイニチアザミなど多く見られるようになった。別当覗からは深い別当谷や向かいの観光新道の稜線を人が歩いているのが、米粒くらいに見える。  
 3時間で甚ノ助避難小屋へ到着。水場やトイレもあるので、中休止をとる。
 良い天気になり暑いので水分を十分補給する。黒ボコ岩まではさらに傾斜が増し、12曲がりといわれる一番の急登となる。
 斜面はお花畑になってきた。「あっハクサンフウロ発見!」  黒ボコ岩(12曲がりより)
 正真正銘のハクサンフウロだ。ここからはずっと、たくさん咲いていた。サラシナショウマカライトソウアキノキリンソウなど色とりどりになってきた。降りてきた人が「上はもっとすごいお花畑ですよ」という言葉に皆もうワクワク。
 青い空に照りつける日差しは強く「延命水」という水場でのどを潤す。名前のせいか今までの水よりおいしかった。
 このあたりが森林限界となり、花の種類も数も増えてきた。先に登って黒ボコ岩の上で叫んでいるシュンちゃんが見えた。シュンちゃんも今年はずっとお兄さんになり、落ち着いて歩いている。11時20分黒ボコ岩到着。ここで観光新道と合流する。
   ここからは景色が一変し、標高2300mに平地が広がり、白山最高峰の御前峰がやさしい姿を現す。弥陀ヶ原広大なお花畑で、チングルマの穂がピンクのじゅうたんのように広がり、コバイケイソウは、山男のチャーリーがこれほどの群落は見たことがないと言うほど。花の最盛期にはさぞかしすごいことだろう。夏の花に混じり、ミヤマリンドウイワギキョウなど秋の花も咲き競っている。
 そして最後の五葉坂のハイマツ帯にとりつく。ナナカマドの実も色づき始めている。天と地を分けるという『青石』を過ぎると、室堂はあと一息だ。
 群生するチングルマの穂  12時室堂到着。室堂は広い大地の上に、室堂センターを中心に大小の宿泊棟が並ぶ。
 雄大な御前峰をすぐ後ろに控え、白山のほとんどの登山道がここに集まる。  
 寒くなってきたので、外のテーブルを囲み温かいスープや味噌汁を作りお弁当にした。
 明日の天気予報があまりよくないため、荷物の整理をしたら元気な人は今日のうちに山頂まで登り、お池めぐりをすることにした。少し元気がないタックンを小屋に残し、空身になり8人で再び出発。
 御前峰山頂までは40分足らず。  弥陀ヶ原(ミダガハラ)
  奥宮祈祷殿に登山の無事を祈り、右の登山道を行く。道はよく整備され登りやすい。高度を上げていくと、緑のハイマツの中に赤い屋根の小屋が小さく見える。 
 別山をはじめ、雲海に浮かぶ周りの山々、池と岩と雪渓の絶妙なバランス。自然がかもし出す巨大庭園の美しさにはため息が出る。
 山頂からはアルプス連峰乗鞍岳御嶽山が雲の上から顔を出し、たぶん恵那山と思われる三角や伊吹山方向の山々も見える。残念ながら日本海は雲と区別がつかない。
 御前峰山頂  スターウォーズの世界のような、荒涼とした岩だらけの風景は、かつてこの山が活火山だったことを思わせる。
雲上のお池めぐりは、紺碧の水をたたえた火口湖『血ノ池』『千蛇ヶ池』などという伝説の残る池や、雪渓を見ながら歩く。この雪渓は室堂の水源になっているということだ。   
 他では穂になっていたチングルマがまだ花が残っていた。厳しい環境の中でもアオノツガザクラコケモモイワツメクサイワギキョウミヤマキンバイなどの花も多い。有名なクロユリハクサンコザクラの群生地だが、時期が遅くわずかにクロユリが見られただけだった。
 『ヤッホー』の声が聞こえるほうを見ると、だいぶ遅れていたので、無理かと思っていた田中ファミリーの姿が見える。
 到着順に夕食になるため、私達は一番の5時からと早い。  お池めぐり
 よく歩いたのでおなかもすいた。今日の宿泊客はそれほど多くないが、昨日の土曜日は1600人も泊まったそうだ。私たちの部屋は御前荘3号室。左右5人ずつ2段になり、20人泊まれる。空いているのだからゆったり入れてくればいいのに、20人いっぱい詰め込まれた。
 外は夕焼け、このぶんなら明日の天気は悪くないかもしれない。