熊野古道1 (小辺路)
-kumanokodo(kohechi)-
 2010/05/13-16
 5年前伊勢路を少しだけ歩き、リタイアしたら熊野古道を歩いてみたいと言っていたクマさんが、記念の小辺路歩きの計画をたてた。
 熊野古道とは、熊野三山への参詣道のことで、熊野詣は10世紀から15世紀にかけ盛んに行われたらしい。17世紀になると、民衆の社寺巡礼が盛んになり、参詣者、商人などが利用し、庶民の道として利用された。西国巡礼のルートとしても利用されたそうだ。 
大きく分けると、伊勢路、紀伊路、大辺路、中辺路、小辺路。そして修験者の道、大峯奥駆道と6ルートある。 
 中でも小辺路は、熊野三山と高野山を結び、途中には標高1000m以上の峠越えが3ヶ所もある、全長72kmも及ぶ険しい道だそうだ。
  私は舗装道路を歩くのは苦手だが、小辺路はほとんどが山歩きで、大変そうだが興味をそそられ、二人でチャレンジしてみることにした。
日  程 
(全行程72km)
1日目    5/13(木)  八王子4:45-新横浜6:08-新大阪8:21-大阪8:31-新今宮9:03-極楽橋10:36-高野山10:46-金剛峰寺参拝・・・千手院橋バス停・・・金剛三味院入口11:25・・・大滝女人堂跡・・・薄峠12:11・・・鉄橋12:45~13:10・・・新家トイレ13:30・・・龍神スカイライン合流14:10・・・水ヶ峰集落跡14:55・・・林道合流15:08・・・東屋15:30・・・今西辻16:00・・・平辻16:10・・・大股16:55
行  程 16.8km:6時間(休憩含む)
歩  数 29097歩
宿  泊   大股民宿「津田旅館」8000円
2日目    5/14(金)  大股7:40・・・藁小屋跡8:30・・・桧峠9:35・・・伯母子岳分岐10:10・・・伯母子岳山頂10:30・・・伯母子峠10:50~11:10・・・上西家跡11:55~12:20・・・水ヶ元茶屋跡13:00・・・待所屋敷跡14:00・・・三田谷14:35・・・五百瀬14:40-十津川村内野14:50
行  程 15.9km:7時間(休憩含む)
歩  数 22677歩
宿  泊 十津川村「農家民宿山本」7500円
3日目    5/15(土)  三浦口7:30・・・吉村家跡8:05・・・三十丁の水8:50・・・三浦峠9:45・・・古矢倉跡10:20・・・出店跡10:40・・・矢倉観音堂11:50~12:20・・・西中バス停13:05・・・宮平バス停14:06-十津川温泉14:35
行  程 19.2km:6時間(休憩含む)
歩  数 19712歩
宿  泊 十津川温泉「えびす荘」10500円
4日目    5/16(土)  十津川温泉5:45・・・果無集落入口6:05・・・果無集落6:40・・・観音堂8:25~40・・・果無峠9:15・・・三十丁石10:10・・・七色分岐10:35・・・林道出合11:20・・・八木尾バス停11:30・・・道の駅奥熊野古道ほんぐう11:55~12:10・・・三軒茶屋跡12:30・・・祓所王子13:05・・・熊野本宮大社13:10~14:00・・・本宮大社前バス停14:10-新宮15:29~17:28-名古屋20:53-新横浜22:22-八王子23:10
行  程 16km:7時間30分(休憩含む)
歩  数 29711歩
 
5月13日(木)
早朝東京を立ち、新幹線、電車を何回も乗り継ぎ、ケーブルカーでやっと高野山駅に降り立った。
バスで高野山金剛峰寺に向かい、まずは道中の無事をお願いする。
 高野山は、山の上が一つの町になっていて、たくさんのお寺がある。
ちょうどシャクナゲが見頃だった。 高野山ケーブル駅 金剛峰寺
小辺路歩き出発
これから16.8km大股まで歩く。時計はすでに11時を回っている。 
薬屋の横を入ると、金剛三味院の門前に行きあたるので、標識に沿って右に民家を見ながら登る。
 緩やかに登って行くと、まもなく大滝女人堂跡の標識。
金剛三味院入口(薬屋脇) 小辺路入口  緩やかなアップダウンが続く。
ろくろ峠薄峠とアップダウンを繰り返し、一度新家集落へ向け下って行く。   
今日は、新家集落で数人の村人に会ったが、他には誰にも会わなかった。 
ろくろ峠 薄峠
      ほとんどが山歩きと同じというので、靴は軽登山靴にした。
 ザックは縦走登山と同じなので、8キロくらいの重さで肩にくいこむ。最近日帰り登山ばかりなので、久々の重量だ。
 石仏  薄峠を下る  
  今日は、4日間の中でも一番標高差は少ない。標高が高く、明るい道が多いので、気分も軽い。    
 この辺り、コウヤマキの木が多く、石仏の花入れには必ず差してあった。
   コウヤマキの道  御殿川に架かる鉄橋
 
   今朝は4時起きで、お腹もすいてきたので、鉄橋の辺りでお弁当タイム。駅弁の穴子寿司が美味しかった。
 急な上り坂を行くと林道に合流する。下りきったところが新家集落で、新しいトイレ(ウォッシュレット)ができていた。これも世界遺産効果か。
 新横浜駅の穴子ちらし 新家集落にある公衆トイレ
龍神スカイラインに合流し、30分近く道路際を歩くが、交通量は少ないので、そんなに危険は感じなかった。  
スカイラインができ、熊野古道はほとんど使われなくなったそうで、それが保存には、かえってよかったのかもしれない。 
 車道に分かれ、水ヶ峰入口を上る。
   荒野龍神スカイライン合流  水ヶ峰入口 
   世界遺産
 ほとんどは山道だが、道はよく整備され、崩れかけたところは補強してあったり、分岐には必ず標識がある。 
 ゴミなど全く落ちていなかった。 
トイレも途中に1か所はあるので、安心だった。 
ヤマツツジ 周りの山々
水ヶ峰集落跡に入ると、標高も1000m近くなり、周りの山々が素晴らしい眺めだ。 
 よい天気になったが、風が強く、少し寒いくらい。パーカーと手袋は付けたままだった。 
林道タイノ原線合流 林道途中の東屋(強風で長居はできない)
今西辻平辻付近は林道と古道を出たり入ったりするところがあった。
行程表にメモを書き込みながら歩いていたが、どうもどこかで落としたらしい。 
 もう日が傾き、長い影を落とし始めていた。
平辻 道標地蔵
大股へ下る
今回は山の縦走のようなものだが、違いは、泊るところが山の上ではなく、一度集落に下らなければならないことだ。 
林道より、急坂を津田旅館の標識に従いどんどん下る。周りを見渡しても、家も何も見えない。本当にあるのかしら? 
 大股集落 牡丹鍋とあまごの塩焼き   
5時、やっと山間の小さな集落に着いた。 民宿津田旅館は昔ながらの古い民宿で、年配のおかみさんが、遅かったから心配しましたと出迎えてくれた。玄関にはクマと鹿のはく製が置かれていた。
 長い一日だったが、マキで炊いた湧水のお風呂はやわらかで、疲れがとれる。夕食も山で捕れたイノシシの牡丹鍋、近くの川魚(あまご)と山の幸満載で、ワイルド。今日はクタクタで、早めの就寝~~~。