御坂黒岳1793m
 
     
月 日   2003/02/06(木)晴
行  程 7時間(休憩含む) 
メンバー  ガイド2名、参加者36名(男16、女20) 
温 泉  開運の湯(1000円) 
 
 

友人と二人で冬場でもトレーニングをしようと、軽い気持ちで雪山入門『御坂黒岳』ツアーに参加した。前日に連絡があり、雪が30センチ以上あるので、アイゼンはなるべく6本爪、ヘッドランプも必携ということだった。 

朝7時半新宿を出発。中央高速は空いていて、予定通り河口湖に到着。 
 真っ白な富士山が雲ひとつない青空に、裾野まで大きく広がり素晴らしい姿で迎えてくれた。ツアーは天気で選べないので、賭けのようなところがあるが今日は大当たりだ。今年はついている。
 今日はガイドさんが二人付き、一人は年配の男性、もう一人は若い女性で大きなザックを背負い、冬の富士山も制覇し冬山大好きと言う、いかにもプロっぽい頼もしい人だ。 
 湖岸に氷が張り詰めた河口湖を見ながらバスは天下茶屋に向かう。
登るにつれ道は真っ白に雪が積もり、大型バスは狭い道をゆっくりと登った。天下茶屋からも富士山が大きく見える。 
 天下茶屋を少し登ったところには、富士山に正対して太宰治の富岳百系『富士には月見草が良く似合ふ』という詩碑が建っていた。眼下には河口湖がキラキラ光る。
晴天の御坂山登り
30分ほど登ったところで尾根道に出ると、急に雪が深くなりアイゼンをつける。
 雑木が多いが葉がないので見通しがよく気持ちがいい。昨日は更に雪が積もったようで、新雪がある。
 今日は足跡は全くないが、登山道は踏み固めてあるので歩きやすい。右手が開けたところからは、金峰山八ヶ岳の眺めが良い。
更に40分余り登ると、御坂山山頂だ。  

雑木が多くあまり展望はよくない。風が強く、少しでも風当たりの弱いところを選び、少し早めのランチになった。体が冷えないようにパーカーを着る。今日はお弁付きで、笹の葉でくるんだおにぎりと卵焼きやフライなどが可愛らしく詰まっていておいしかった。

 御坂峠までは30分ほど下る。御坂トンネルが出来る前は馬も越えたと言う御坂峠
 広々としたところで、小休止。御坂茶屋は休業中だった。  御坂山
南には絶景の富士山、お隣の三ツ峠山もよく見える。茶屋の裏手には祠があり、ブナやミズナラの大木が多くなった林を抜けて進む。    北岳や白峰三山は真っ白だが、手前の鳳凰三山はそれほど白くない。岩が多いので雪は吹き飛ばされあまり積もらないそうだ。右手に見えるおにぎり型の山は、釈迦ヶ岳だった。 
 途中南アルプスの展望が良いところがあったが、団体ではゆっくり写真も撮れず残念だった。
   三ツ峠山  
   いくつかのアップダウンを繰り返しながら、最後の岩場を上り詰めたとこが目指す黒岳だ。
 それにしても今日は気温が低い。いつもならこれだけ歩いているとパーカーは脱いでいるところだが、風もあるせいかずっと着たままでちょうど良い。手袋も2枚重ねでないと指先が凍りそうだ。
 黒岳山頂の標識が雪に埋もれて頭だけしか出ていない。1メートル以上は積もっているようだ。道を少し外れると腰の辺りまで埋もれてしまう。”DAKARA”を飲もうとしたら、なんとシャリシャリに凍っていた。雪はサラサラで粉砂糖のようだ。
 黒岳より富士山を望む    
それにしても今日のコースは初級Aのはず。アップダウンはきついし、行程は長い。   
中高年が多いが皆健脚で元気だ。「去年は80回山へ行った」とか「この冬は雪山7回目」とか言っている人がいる。よく考えるとこのコースは初級でも、雪山初級だということに今ごろ気が付いた。 
サラサラの雪は深く、アイゼンをつけていてもズルズルと滑ってしまいそうな急坂をすずらん峠へ下る。 
     埋もれた黒岳標識
カラマツ林を緩やかに登ると破風(はふ)山だ。ここも南面の展望が素晴らしく、富士山はずっとよく見える。河口湖の向こうには山中湖まで見えた。   

縦走路とはここで分かれ、南へジグザグに下る。所々日当たりの良いところでは雪が溶けているが、それでも日陰は凍っているところもあり、ずっとアイゼンははずせなかった。 

 見晴らしの良い尾根道を新道峠へ下る。 カラマツ林はやがて桧に変わり、やっと林道に出た。
   河口湖&山中湖(破風山から)  
   林道はほとんど車も通らない様子で、凍り付いている。別荘地を過ぎる頃やっとアイゼンをはずした。日が傾き始めた頃やっと湖畔の大石公園に到着。
 バスが湖を半周すると、対岸に連なる山並みはシルエットに変わり、ひときわ高い三角が今日登った黒岳だった。
 『開運の湯』に立ち寄り、バラの浮かんだ露天風呂でしばしクレオパトラ気分に浸った。そして、バスに乗り込んだと同時に眠りこんでしまった。
破風山(はふやま)     
 軽い気持ちで参加し、展望もよく充実した縦走だったが、アイゼンをつけたまま7時間近くの行程はとても大変だった。バスの中で”今日の行程はちょうど良かったですか?”との質問に、多くの人が手を上げていた。フッー皆すごい!